【MLB】鈴木誠也所属のカブスが続々補強 ナショナルズ・キャンデラリオらを獲得

写真:鈴木誠也が所属するカブスは逆転プレーオフを掴み取れるか ©Getty Images

現在ワイルドカード圏内まで4.0ゲーム差を追いかけるカブスだが、チーム内には逆転プレーオフを諦めるという選択肢はないようだ。

日本時間8月1日、カブスがナショナルズからジェイマー・キャンデラリオを獲得したことが各種報道機関から発表された。対価としてナショナルズは二人の若手有望株、DJ・ハースとケビン・マーデイを受け取っている。

キャンデラリオは今年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシックでドミニカ代表に選ばれた内野手(三塁手)。2018年以降タイガースのレギュラーとして活躍を続けていたものの、2022年シーズンは不調に陥りオフにノンテンダーFAとして放出。今季はナショナルズと1年500万ドルという格安契約を結んでいた。

そのキャンデラリオだが、低い期待に反して今季は打棒が復活。打率.258で16本塁打を放ち、OPSは.823と、リーグ平均を上回る打撃貢献を残している。得意でない守備面でも今季は好成績を残していることが各種指標で示されており、安い年俸と合わせて夏のトレード期限では野手陣の目玉となることが早くから予想されていた。

カブスは6月8日時点で26勝36敗と10個の借金を抱え、リーグ4位に低迷。この不調もあって、エースのマーカス・ストローマンや主砲のジョク・ピーダーソンを放出し、来季に向けてチームの再建を図るのではないかという見方が大勢だった。しかしこのあとチームは徐々に調子を取り戻し、オールスター終了後は8連勝を含む11勝6敗と絶好調。日本時間の8月1日終了時点で53勝53敗と勝率を5割まで戻している。

そんなカブスだが、一塁と三塁、DHのレギュラーが不在となっているのはプレーオフを目指す上での悩みの種だった。カブスは今季、一塁にトレイ・マンシーニら6選手、三塁にパトリック・ウイズダムら5選手を起用しているが、どの選手も目を引くような結果を残すことはできていない。本職の三塁に加え、一塁を守ったこともある強打者キャンデラリオの加入はチームの戦力を確実に底上げすることになるだろう。

カブスはほかにもロイヤルズから中継ぎ投手のホセ・クアスを獲得。逆転プレーオフに向けて、トレード期限ギリギリまでさらなる補強を進める可能性は十分にありそうだ。

一方、放出した側のナショナルズにとってもこのトレードは大きな利益を生むことになった。2019年のワールドシリーズ制覇以降再建を進めているナショナルズにとって、キャンデラリオを獲得するねらいはトレード期限で放出し、プレーオフを目指すチームから有望株を受け取ること。対価として獲得した二人はともにMLB公式のプロスペクトランキングでカブス傘下30位以内に入る有望株であり、まさにシーズン前のねらい通りとなったと言えるだろう。近年は低迷が続くチームではあるが、再びの上位進出を目指し、虎視眈々と力を蓄えている。

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