新しい「中日ビル」どう変わる?ホテルや商業施設も入る33階建てビルは2024年春に全面開業へ 「来たらワクワクできる楽しいビルに」名古屋・栄のシンボルが竣工式

名古屋市中区栄で建設が進んでいた中日ビルが新たに生まれ変わり、1日に竣工式が行われました。

(中部日本ビルディング 井戸義郎社長)
「栄の街全体のにぎわいを再生できるように、中日ビルに来たらワクワクできるなという楽しいビルにしたい」

歴史は古く57年前に誕生した中日ビル。

1974年には中日ビルに選手も集結し、ドラゴンズのリーグ優勝を祝いました。

沿道には多くの観客が。

最上階には床が回転し、食事しながら360度の眺望が楽しめる展望レストランがあり、屋上ビアガーデンも人気でした。

まさに栄のシンボルとして多くの人に親しまれてきましたが、2019年3月に建て替えのため閉館、一体どう生まれ変わるのか!

地下5階、地上33階建て、高さ約158メートルの高層ビルで、これまでの約3倍の高さです。

その内部も初めて公開され、地下1階から3階はショップとレストランエリアで、地下1階は栄の地下街とも直結します。

そして、7階にあるのが屋上広場で、ウッドデッキ中央には、かつての展望レストランのデザインを引き継いだ芝生があり、新たな中日ビルのロゴのモチーフにもなっています。

そして、もう1つ以前の中日ビルから受け継いだものが。

ホールや会議室などが入る6階の壁には、かつて玄関ホールの天井にあったモザイク画「夜空の饗宴」の一部が移設され、より間近で見ることができるようになりました。

また、24階から32階にはザ・ロイヤルパークホテル「アイコニック名古屋」が入ります。

客室数は246で、名古屋初登場となります。

ホテルのロビーからは名古屋駅方面が一望できます。

開業は2024年2月20日を予定、1日から予約受付がスタートしました。

そして、もう1つの目玉が2階のオフィスロビーの壁一面に飾られた大きなアート作品。

「インフィニティ(永遠)トリニティ(三位一体)」と名付けられた、この作品を手がけたのは美術家の松山智一さんです。

(美術家 松山智一さん)
「なかなか手数の多い作品で時間もかかったので、うれしい気持ちでいっぱい」

松山さんは幼少期を岐阜県高山市で過ごし、上智大学経済学部を卒業後に渡米。

その後、美術家としてニューヨークを拠点に世界各国で活動し、ビル・ゲイツやドバイ王室など世界のセレブが認める気鋭の美術家の1人。

去年は、あの「ゆず」のステージアートビジュアルも担当!活躍の幅を広げています。

今回の中日ビルの作品については…。

(美術家 松山智一さん)
「作品自体は三英傑からアイデアを得た」

夜明けを期待させる赤みがかった紺色の背景に、立体的かつ複雑に組み上がった3人の騎馬武者。明るい未来を期待させる作品です。

制作期間は約2年。

(美術家 松山智一さん)
「素晴らしい方々と今回協業できたことによって、自分の期待感をはるかに超えるような作品になった」

いつもニューヨークで制作するのがメインの松山さん。今回は日本の約30人が「チーム松山」としてサポートしました。

そのスタッフの技術力は、逆に「世界の松山」をうならせました。

そして、思いのこもった作品は、これからどうなって欲しいのかを聞くと。

(美術家 松山智一さん)
「みんなの日常になるのが理想。あそこに『行こう』『遊ぼう』『待ち合わせよう』。そういう場所になってくれることがドキドキすること」

名古屋・栄の新しいランドマークとして生まれ変わる中日ビル。

全面開業は2024年の春を予定しています。

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