全国高校総体出場校紹介 陸上男子走り幅跳び 県高校記録保持者・河野隆之介(大分舞鶴3年)が日本一を狙う 【大分県】

今日から始まる陸上の全国高校総体で県勢の日本一への期待が高まる。男子走り幅跳びに出場する河野隆之介(大分舞鶴3年)は、その一人。6月の九州高校体育大会の北九州地区予選で7メートル42を記録し、44年ぶりに県高校記録を更新して優勝した。5月の県高校総体から好調を維持しており、「自信はある。自分を信じて飛ぶだけ」とビッグジャンプを思い描く。

身長168cmは跳躍選手としては大きくはないが、河野には抜群のスピードがある。それは全国高校総体では1600メートルリレーに出場することで実証済み。上杉貴志監督は「100メートルから400メートルまで、短距離の選手として走れるタフさがある。スピードをそのまま生かした跳躍ができるフィジカルの強い選手」と評する。

陸上は中学1年から本格的に始めたが、それまで野球にラグビー、空手と多様なスポーツを経験することで、バランスのいい体が出来上がった。「いろんなスポーツをしてきたが、記録が明確に数字に現れる陸上がハマった」。当初は短距離選手だったが、持ち前のバイタリティーと好奇心で跳躍に挑戦すると、「ふわりと跳び上がったときの気持ちよさ」を味わった。

走り幅跳びと1600メートルリレーに出場する河野隆之介

そこから「より遠くへ飛ぶ」ことを追求することになる。高校では短距離を専門とする上杉監督に出会い、「足が回る」感覚を覚え、飛躍的にスピードが上がった。感覚派と思われがちな河野だが、実は理論派。「幅跳びは助走から加速、踏み切り、空中動作、着地とチェック項目が多く、全てが完璧にそろったときにビッグジャンプが生まれる」と、一つの細かな動作を徹底的に分析するからこそ、何が必要で何が足りないかを理解できる。これまで何度もトライ&エラーを繰り返したからこそ、理想のジャンプを体現でき、好記録につながった自負がある。

全国高校総体では2種目で日本一を狙うが気負いはない。「最後の全国高校総体なので楽しみたい。これまでやってきたことを発揮できれば結果はついてくると思う」と表情は柔らかだ。大学でも陸上を続け、「走って、跳んで、投げる」10種競技に挑戦したいという。まずは走、跳で高校の頂点に立つ。

理想のジャンプを思い描く

(柚野真也)

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