理工農系への学部再編、「情報」「環境」、「食」と「農」がトレンド

US進学総合研究所は、7月21日に発表された大学・高専機能強化支援事業(デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する機能強化 支援1)について、初年度選定結果を分析し、「情報」「環境」や「食」と「農」の組み合わせがトレンドで、早く申請しないと採択予定件数の上限に達するとの見解を公表した。

この支援事業(支援1)は2022年度第2次補正予算で創設された約3,000億円の基金を基に、公立大学と私立大学を対象とし、成長が期待される理工農系分野への学部再編等に支援金を交付する。初年度は全国から67件の応募があり、すべて採択された。この中には、2024年度の新設・改組予定の学部学科も含まれる。

US進学総合研究所が2025年度以降で新設・再編予定の選定結果を分析したところ、学部学科名で最も多かったキーワードは「情報」の17件。次いで、「環境」と「データサイエンス」がそれぞれ10件、「食」と「農」がそれぞれ6件で続いた。

大阪経済法科大学、関西国際大学、松山大学が情報学部、北海道科学大学、桜花学園大学が情報科学部、福山市立大学が情報工学部の新設を予定するなど、成長分野のキーワードである「情報」が最大のトレンドになっていることがうかがえた。

最近では新設学部学科で使用されることが少なくなっていた「環境」は、立教大学が環境学部、東洋大学が環境イノベーション学部を新設予定としており、今後のトレンドになる可能性が感じられる。

中央大学が農業情報学部、順天堂大学が食農学部の新設を計画するなど、「食」と「農」の組み合わせも目立った。農学関係で「食」にかかわる学部は従来から女子学生に人気が高く、こちらもトレンド入りしているようだ。

支援事業(支援1)への応募は2032年度までの10年間できることになっているが、計画では全体の採択件数を250件としている。最新トレンドの学部開設は競争が激化する志願者確保で有利になるとみられるだけに、US進学総研は早い段階で採択件数が上限に達する可能性があるとしている。

参考:

【US進学総研】大学・高専機能強化支援事業(支援1)初回公募選定結果について考えてみる

【文部科学省】「大学・高専機能強化支援事業」の初回公募選定結果をお知らせします(PDF)

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