北朝鮮、国連軍に応答 米兵越境巡り、進展はなし

 【ワシントン共同】米国防総省のライダー報道官は1日の記者会見で、7月18日に韓国から北朝鮮側に軍事境界線を越えたトラビス・キング米陸軍2等兵について、身柄の扱いを問い合わせた在韓国連軍司令部に対し北朝鮮側から応答があったと明らかにした。問い合わせを受け取ったと確認する内容だったといい、ライダー氏は「大きな進展はない」と説明した。

 2等兵を巡っては、在韓国連軍司令部が7月24日、軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)に設置された通信回線を通じ、朝鮮人民軍と協議を始めたと明らかにしたものの、米国務省が「北朝鮮との新たなやりとりはない」と否定していた。ライダー氏は、北朝鮮側が応答した時期など詳細は明らかにしなかった。

 2等兵は暴行容疑で韓国の拘置施設に収容後、米国に移送されて懲戒処分を受ける予定だった。ソウル郊外の仁川国際空港で7月17日に逃走し、翌18日にJSAのツアーに参加。突然走り出して北朝鮮側に越境した。

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