王者として母国初凱旋のロバンペラ「簡単ではないが、やれるだけのことをやる」/2023年WRC第9戦 事前コメント

 8月3日(木)から6日(日)にかけて、北欧フィンランドのユバスキュラを中心に2023年シーズン第9戦『ラリー・フィンランド』が開催される。前戦クロアチアから続く“ハイスピード・グラベル(未舗装路)ラリー連戦”の後半ラウンドとなる一戦では、最高峰クラスにエントリーしているカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)という4人のフィンランド人ドライバーが母国凱旋イベントを迎えることになる。また、ユバスキュラにファクトリーを構えるTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)にとっても今大会は“ホームラリー”だ。そんなラリー・フィンランドを前に、ラリー1カーを走らせる3陣営からドライバーたちの事前コメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)

「フィンランドは全体的にエストニアよりもはるかに厳しいイベントだ。これまでここでの走行を楽しんできたし、過去にフィンランドで素晴らしいパフォーマンスを発揮してきた。エストニアはとても厳しく、残念ながら僕たちは必要だったポイントを獲得できなかった。それでもよいペースは出せていた」

「僕たちの焦点は、ラリー・フィンランドのシェイクダウンでできるだけ最高のフィーリングを見つけることにある。そして週末には可能な限り最高の結果を出すためにプッシュしていくよ!」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)

「3週間のうちに3回目のラリーを続けることができてうれしいよ。忙しい7月だったね! でもおかげで多くの走行時間が得られたし、フィンランドへの準備は万全だと思う。タンペレでの週末ではとても厳しいコンディションのなかを走行したし、ラリー・フィンランドに挑戦する準備はできている」

「目標はエストニアよりも、もう少し良い結果を出すことだ。ペースの点ではオット(・タナク)にもう少し近づいて、さらにクルマを進歩させていきたい」

2022年大会で優勝したオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)
ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

「チャンピオンシップの点では、フィンランドで表彰台を争うことが重要になるが、簡単にはいかないだろう。フィンランドではいつも予測が難しい。レッキ(下見走行)では、ある時点で自分のマシンがどれほどのスピードを出せるのか、実際には決してわからないんだ。でもこの数年間の自分の経験が役に立つだろう」

「一方、ここでのタイヤ選択はとても簡単だ。気温が上がったとしても、ソフトタイヤだけが機能する。ここでは摩耗がそれほど激しくならないんだ。着地する時はつねに高い精度としっかりしたプロテクションが必要になる」

「競争は激しくなるだろうね。ほとんどがスカンジナビア出身のドライバーなので、彼らを打ち負かすのは難しいだろう。でも僕たちは自分たちとマシンに対して、エストニアでの表彰台獲得から続く自信を持っている」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)

「今週末のフィンランドでは勝ちたいものだ。結果はどうあれ、母国の観客の前で味わいたい雰囲気がある。それは本当に特別なんだ」

「ラリー・フィンランドには多くのクレストとジャンピングポイントがある。通常はグリップがかなり高く、驚異的な速さで知られている。このラリーの準備をするために、耐久トレーニングをしなければならない。同時に背骨を守るための筋肉も必要だ。一部のジャンピングポイントでは、着地がとても激しいからね!」

「エストニアではライバルたちといい戦いができたので、この週末のフィンランドでもまた彼ら一緒に……できれば彼らの前に立ちたいね」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ラリー・フィンランドは僕のお気に入りのラリーかもしれない。今年は僕たちにとって面白いラリーになるだろう。ラリー・フィンランドに向けた準備のために、エストニアでの良い経験を生かしていくよ」

「ほとんどすべてのコーナーはジャンプとは言わないまでも、少なくとも起伏があり、コーナーごとにマシンが飛んでいるようなすごい感覚になる。つねに何かが起きるので集中力を維持するのが難しい。基本的には2倍のペースノートを用意する。その分コドライバーからは多くの情報が与えられることになるから、集中して正確に進まなければならない」

「エストニアでの結果には本当に満足している。それはフィンランドで前進し続け、チームメイトたちと一歩を踏み出せるという自信につながった」

フィンランド出身のテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)
同じくフィンランド出身ドライバーであるエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「自分たちにとってのホームラリーは、他のラリーと少し違う感じがする。自分の地元での開催だし、チームにとってもホームラリーだからだ。他のラリー以上にエキサイティングだし、ファンのみんなからの大きなサポートを受けることもできるので、優勝するためにベストを尽くして戦うつもりだ」

「ただし、それと同時にチャンピオンシップのことも考える必要があり、せっかく築いたリードを無駄にしないようクレバーに戦わなければならない。ラリー・フィンランドのステージに出走順トップで臨み、後からスタートする速いドライバーたちと同じようなスピードで走るのは簡単なことではない。昨年は金曜日に約20秒を失い、土曜日以降に15秒近く挽回しましたが、今年もやれるだけのことをやるつもりだ」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「地元のドライバーだけでなく、僕自身にとってもラリー・フィンランドが今シーズンのハイライトであることは確かだ。いつもこのイベントをエンジョイしているし、今年も楽しみにしているよ」

「フィンランドのラリーロードを走るフィーリングは他では味わえないものだし、クルマと一体になって走ることができれば、運転する楽しさという点でこれに勝るものはないと思う」

「エストニアでは完全に満足できたわけではなかったけれど、フィンランドは似てはいるもののまったく同じというわけではなく、違う特徴があったり異なるセットアップが求められる。今週フィンランドで行なったテストは、正しいセットアップでラリーをスタートできるように準備するための、非常にいい機会になったよ」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ラリー・フィンランドは特別で、いつも楽しみにしているラリーです。自分はフィンランドの道でラリードライバーとして成長してきたので、第二の故郷でのラリーだと思っています。ステージのスピードに関してはエストニアと似ていますが、路面のグリップが全体的に高いためフィーリングは大きく異なります」

「前戦のエストニアよりもスピードを改善したいですし、今週のテストでは、エストニアでなぜうまくいかなかったのかを理解し、フィンランドの道にマッチしたクルマのセットアップを見つけることができました」

「今回はラリーを楽しみ、できる限りプッシュしていきたいと思います。チームのためにも、自分のためにも、そしてフィンランドで観戦してくれる家族のためにも、いい結果を出すことが重要です」

●ヤリ-マティ・ラトバラ(#97 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ラリー・フィンランドは、チームにとってつねに特別な大会だ。今年は僕自身がWRCイベントにふたたび出場できることになったので、特別な思いがある。ドライバーとしての目標は、速く走ることもさることながら、何よりもまず経験を楽しむことだ」

「接戦が予想されるこのラリーで、ドライバーたちに最高のクルマを提供するため、チームは一生懸命テストに取り組んできた」

ユバスキュラ在住の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)にとって『ラリー・フィンランド』は第2のホームラリーとなる
ラリー・フィンランドで3年ぶりにドライバー復帰を果たすヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表

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