熱中症対策、シェルターで 公共施設や薬局、活用進む

クーリングシェルターとなっている「キク薬局向島店」の店頭に立つ管理薬剤師の新井直樹さん=7月下旬、東京都墨田区

 今年は7月から、最高気温35度を超える猛暑日が続出。各地の自治体が冷房の効いたスペースを用意して無料の「クーリングシェルター」とし、熱中症を予防しようとする動きが始まっている。公共施設だけでなく、薬局など身近な店舗も活用する。

 「今年はひどい暑さ。涼しい場所で休めるのはありがたいよ」。7月下旬の午後、東京都墨田区の「キク薬局向島店」で、近くに住む木島恵三さん(80)がほっとした表情を浮かべた。区が、地元薬剤師会の協力で今年6月から設置している「すみだひと涼みスポット薬局」の一つ。薬の処方などの用事がなくても、休憩に利用できる。

 来夏までに全面施行される改正気候変動適応法では、自治体にクーリングシェルターなどの「指定暑熱避難施設」を事前指定するよう促している。

 環境省が2022年に実施したアンケートでは、公共施設や商業施設を避暑のため利用する取り組みをしているとしたのは回答があった592市区町村のうち125と約2割だったが、同省の担当者は「今年はさらに増えているのではないか」と話す。

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