まさか店員いるのに…開店準備中、正面ドアから堂々入店した泥棒女、慣れた様子で現金強奪「怒りを覚える」

開店準備中に窃盗 容疑の女を再逮捕

 開店準備をしている店舗に侵入し、現金などを盗んだとして、埼玉県警捜査3課と川越署の合同捜査班は1日、建造物侵入と窃盗の疑いで、宇都宮市西川田3丁目、無職の女(67)=建造物侵入と窃盗罪で起訴=を再逮捕した。

 再逮捕容疑は昨年6月22日午前6時50分~同日午後0時25分ごろ、川越市新富町2丁目のすし店に侵入し、現金約6500円や財布1個等20点入りのバッグ1個(時価計約1万7千円相当)を窃取。同日午前9時9~10分、同市幸町1丁目のうなぎ店から現金約3万2千円や小銭入れ1個等10点入りのポーチ1個(時価計約3万500円相当)を持ち去った疑い。調べに容疑を認め、動機について「生活費や飲食代、パチンコに使うため」と供述しているという。

■被害店舗「また盗まれるかも」

 被害に遭った2店舗は直線距離で約1キロの距離。「うなぎ傳米」(川越市幸町)で店長を務める小林優仁さん(25)は「被害に気付いてから、また盗まれるかもしれないという恐怖心があった。犯人に対しては、繰り返さないと肝に銘じてほしい」と語った。

 同店は観光名所「時の鐘」近くに位置し、平日も観光客でにぎわう。被害当時、店は開店準備中で店内には小林さんを含め6人の従業員がいたが、店内に備え付けられたカメラ映像を確認すると、店舗入り口から店内に入り、様子をうかがいながら厨房(ちゅうぼう)内の棚に置かれたバッグを窃取する犯行の様子が写っていた。

 小林さんは「(バッグが)なくなったことにはすぐに気付いたが、まさか従業員がいる中で、正面から堂々と盗むとは思わなかった。慣れた手つきに見えたので、いろんな所でやってそうだと思った」。

 「笹寿司」(同市新富町)では、業者の出入りのため日中は店舗入り口を開錠したままであることが多かったという。被害を受けて、店舗では営業時間以外には施錠を徹底するようになった。

 店主の芳賀広光さん(54)は「(店は)来年で60年を迎えるが、このような被害に遭ったことはほとんどない」とした上で「一生懸命働いて稼いだお金なので悔しく、怒りを覚える。きちんと罪を償ってほしい」とした。

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