バス釣りハイシーズン突入。みんないい釣りしてるかい? 水面でのエキサイティングな釣りが最も盛り上がるこの季節。闇雲に水面でルアーを泳がせるのではなく、水面で釣るにはどうすればいいのかを考えながら楽しむトップウォーター、最高にハイになれる瞬間を共有するぜ!
●文:ルアマガプラス編集部
― 松本光弘
まつもと・みつひろ
トップウォーター専門バスブランド『痴虫』の代表。いわゆる楽しむための小型トップウォーターから、ビッグバスに狙いを定めたビッグベイトトップウォータープラグなど、水面ルアーにおいての天才ビルダー。トーナメントシーンでは、幾度となくウイニングルアーを産出
完全回復個体を探していたら……
産卵からひと月ほどたったタイミング。回復している魚に出会えると期待を抱きながら、本湖から上流へ向けてチェックを始める。前項で紹介した牛ネズミを投げると、さっそく魚からチェイスがあった。しかし、痩せ細っているところを見ると産卵を終えて間もない個体。
そして、上流部。ベイトフィッシュは居ても肝心なバスの姿はない。本湖から上流へ向かう途中に、魚の濃いエリア、そうでないエリアがあり、スポーニングエリアに絡んだポイント付近に魚影が濃いときた。季節の進行状況としては、全体の70%ぐらいが産卵直後から間もない個体を占めていると予想された。
「この感じ、回復の進行は0~50%ぐらいが全体を占めてそう。牛ネズミで釣りたいけど、釣ろうと思ったら、バスの状態に合わせにいかないと厳しいね」
産卵直後の個体から30%回復ぐらいの魚をトップウォーターで釣ろうとする展開は厳しい。できれば、小さい沈む何かをゆっくりフォローするような場面だが、ミスタートップウォーターには、もちろんその選択肢はない。
産卵エリア付近の縦ストラクチャーにはやはり、魚影が濃く、松本氏は苦肉の策として、50%まで回復している個体を狙いを定め探すことに。
「アフターも少し回復すると、小さいトップ、ポッパーとかダブルスイッシャーなら反応するしよく釣れる。ただ、バイトシーンはもう、チュポ! 見たいなバイトだから、思い描いてるそれとは違うけどね」
魚のコンディションをサーチするのに牛ネズミを使用。ポイントから魚をチェイスさせ、そのチェイススピードでバスのコンディションを見極めていたのだ。そして、しばらく狙いの個体を探していると…。
「お! 牛ネズミを追いかける速度が速い! ただ全回復じゃないだろうから、スピード落として、パワーも少しダウンさせないとな」
牛ネズミから、小さい海馬75ダブルスイッシャーにルアーをチェンジし、オーバーハングの下に放り込むと…パチュ!
「バイト弱い~けどフッキング決まった~!」
バスがエサを追いきれない状態と理解し、スローテンポで誘えるルアーに変えた瞬間の1匹。今回の釣りでは、脳汁バイトはお預けとなってしまった。
「まだ、50%回復や」
― 結果、どアフターから、50%回復ぐらいがほとんどや
ひと月という期間で回復しきっている個体を今回は見つけ出せなかったが、魚の状態に合わせればトップの釣りでも十分に楽しめる。魚に寄せた細かいローテーションは次で解説
取材後に、おかっぱりにてゲットした完全回復個体。インレットの中から飛び出してきたらしい。
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