《水面狂に学ぶ》アドレナリン全開の脳汁ブッシャーな水面の釣り。

バス釣りハイシーズン突入。みんないい釣りしてるかい? 水面でのエキサイティングな釣りが最も盛り上がるこの季節。闇雲に水面でルアーを泳がせるのではなく、水面で釣るにはどうすればいいのかを考えながら楽しむトップウォーター、最高にハイになれる瞬間を共有するぜ!

●文:ルアマガプラス編集部

― 松本光弘

まつもと・みつひろ
トップウォーター専門バスブランド『痴虫』の代表。いわゆる楽しむための小型トップウォーターから、ビッグバスに狙いを定めたビッグベイトトップウォータープラグなど、水面ルアーにおいての天才ビルダー。トーナメントシーンでは、幾度となくウイニングルアーを産出

6月末、7月の水面を楽しむために!

水面をアグレッシブなバスたちが割ってくるこの季節。ブラインドで釣るのももちろん楽しいが、バスのバイトシーンが脳裏に焼きついちゃう瞬間っていうのは、いつだってトップウォーターの釣り(人によりけり)!

ということで、アドレナリン全開の脳汁ブッシャーな水面の釣りで、今以上に水面欲を発散するための手順を、水面狂の痴虫松本氏に指南してもらおうというわけだ。

まず本題に入る前に大前提として、シーズナルな動きを把握しておく必要がある。4月、5月、遅い個体だと6月ぐらいまでバスは産卵を引きずっている。産卵はバスが種を残すために命がけで体力を使う行為で、産卵後(いわゆるアフターの時期)というのは、バスの肉体と精神共にボロボロだ。

よく、アフター時期はトップウォーターが有効という話を耳にすることが多いと思うが、それはすべての個体に該当しているわけではない。産卵に入るタイミングも違ければ、体力を回復する速度も違う。大怪我をした翌日から、フルスイングできるファンタジーな個体はほぼいないに等しいわけだ(化物を除く)。

つまり、アフターの時期に、トップウォーターが利く個体というのは、体力が70%以上回復してきている個体のことを想定している。50%以下の個体のほとんどは、本調子ではないため、おかゆのような疲れたバスに寄り添ったルアー(ライトリグなど)のセレクトがマッチする。

ここでは様々な回復進行状況が混在するアフターの時期に、トップウォーターで釣れる個体の探す術をお伝えしよう。

状況をいち早く確認する作業がキモ

釣り場に来てから、釣りを開始するにあたって確認しておきたいことがある。それは、その釣り場の魚がどれほどまで回復しているのかどうか。

リザーバー、川、平野の湖、山間系の釣り場(標高が高いと季節の進行が遅い)など釣り場にも様々なタイプがあり、その場所によって水深や水温も違う。つまり産卵状況もまちまちで、かつ回復状況もまちまちということだ。

今回の釣り場は5月後半の千葉県のリザーバー。ひと月前のタイミングで、産卵する個体も確認済み。そこからひと月進むことで、どのぐらい回復が進行しているかを確認しつつ、体力を50%以上回復している個体(イメージ)がどれほどにいるのかを確認しつつ釣りを開始した。

「ひと月前の大潮で産卵していたなら、やや回復してトップに出てくるヤツもいるはず。さらにはその前の月から産卵へ入っていただろう個体を考えると、完全回復してる個体もいるんじゃないかなという仮説で、ゲームを組み立ててみます。一旦ね、一旦」

完全回復の個体というのは、スポーニング前の健全さを取り戻し、ベイトフィッシュを積極的に捕食している個体を指している。そういった個体を狙い撃ちできれば、反応も多く、エキサイティングな水面の釣りを展開しやすい。そんな、個体を求めてまずは上流部に船を進めていった。

「今回は、手っ取り早く回復した個体を探りつつ、見つけ次第バイトに持ち込むために秘策を用意しました。みんな大好き、新製品ですよ~」

Highな奴らを探す段取り

― 「回復の進行速度を確認しろ」

上流部には比較的にアグレッシブな個体が集結する時期。水温上昇が始まり夏へ向かう時期は、より快適な水温に近い上流部がセオリー。5月、6月の時点でバスを多く確認できるとしたら、それら個体の回復の進行も早いと判断できる。つまり初夏の7月にはまず外せないエリアになることだろう。逆にバスが見当たらなければ、春のエリアに遡るべし。

― 産卵エリア近くの縦ストラクチャー

リザーバーでは岩盤も縦ストラクチャー。杭やスタンプ、霞ヶ浦であれば護岸、矢板、アシなど、釣り場によって異なるが、産卵後は縦ストラクチャーに寄り添いながら体力を回復する個体が多い。体力が50%ぐらいまで回復している個体がいるとすれば、トップウォーターに反応もあるはず。ダメならライトリグでも沈めて(笑)。

― 産卵の条件を満たすシャローエリア

産卵に入るタイミングは個体によって違う。シャローエリアは、アフターかどうかの状況がわかりずらい時にチェック。スポーニングベットの有無、もしくは、産卵後の稚魚を守る個体の有無を確認。それらが見えなければ、アフター回復の進行も進んでいるはず。産卵を終えた直後であれば、周辺の縦ストラクチャーを重点的にチェック。


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