【MLB】トレードデッドラインの勝者、敗者は?

日本時間8月1日7時にトレードデッドラインが終了。今年も期限直前に多くの選手がトレードされた。

米メディア『ジ・アスレチック』はトレードデッドラインの“勝者”と“敗者“を紹介している。

勝者の筆頭として挙げられたのは、計7選手を放出したホワイトソックス。今季はプレーオフ争いからは脱落したものの、今年限りで契約が切れる“レンタル”の選手を売りに出し、有望株を多く獲得。

エンゼルスにルーカス・ジオリトとレイナルド・ロペスを放出したトレードでは、『MLB.com』のプロスペクトTop100で65位にランクインするエドガー・クエロ捕手とカイ・ブッシュ投手を獲得。以降のトレードでも投手を中心に多くの有望株を獲得し、層の薄かった同球団のファーム組織は大幅に改善。

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一方で放出が噂されていた複数年の契約を残すディラン・シースやティム・アンダーソンらをトレードすることはなかった。ホワイトソックスとしては複数年の契約が残るコアプレイヤーは保持した上で、即戦力の有望株を獲得し、近い将来のために力を蓄えることに成功したデッドラインとなった。

そして、大谷翔平をキープした上、積極補強でオールインの姿勢を鮮明にしたエンゼルスも勝ち組に。中長期的には大谷をトレードする方が合理的かもしれないが、エンゼルスは大谷のFAイヤーに強気の選択。

デッドラインのおよそ1週間前に、虎の子の有望株・クエロを放出してまでジオリトを獲得したトレードも、その後カブスのマーカス・ストローマンやパドレスのブレーク・スネルといった有力な先発投手がトレードに出されなかったことを考えれば、なおさら効果的な補強だったと言える。

デッドライン直前にテイラー・ウォードの離脱というアクシデントにも見舞われたが、すかさずロッキーズからランドール・グリチックとCJ クロンを獲得。マイク・トラウトら故障者の復帰も近く、9年ぶりのプレーオフ進出に向けてポジティブな兆候を示している。

対して、負け組認定されてしまったのはレンタルリリーバー1人の獲得に留まったヤンキースと、デッドラインでは1件もトレードしなかったツインズら。

ヤンキースはデッドラインで買い手・売り手のどちらに回るのか不透明なチーム状況にあったが、結局はレンタルとなるキーナン・ミドルトンをホワイトソックスから獲得したのみ。故障者の復帰や主力の復調に賭ける格好となったが、そのどっちつかずの姿勢には批判も多いようだ。

ツインズはマーリンズからディラン・フローロをホルヘ・ロペスと交換で獲得したトレード以外の動きが無かった。ロスターには即戦力の若手有望株が多く、それらの選手の起用で乗り切る腹積もりかもしれない。補強がなかった分、最近は絶好調の前田健太にかかる期待も大きくなるだろう。

ア・リーグ中地区はツインズが積極的に動かなかったのに加え、2ゲーム差で追いかける2位ガーディアンズも買い手としての動きはなかった。地区優勝争いはまだまだ混沌としそうだ。

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