どっちに入れる 投票式吸い殻入れ 後楽館高生ら岡山の公園で実験

実証実験で設置された吸い殻入れ。後楽館高生が考えた岡山ならではの二者択一の問いに吸い殻で回答する=岡山市北区富田町

 あなたはどっちに入れますか―。喫煙者に二者択一の投票を促すことで「使いたい」と思わせるたばこの吸い殻入れ1台が、岡山市北区富田町の西川緑道公園水上広場にお目見えした。後を絶たないポイ捨てを防ぐ実証実験として、後楽館高(同南方)と市が設置した。2~31日に実施し、設置前後で近隣エリアのポイ捨て状況に改善が見られれば市が本格導入を検討する。

 2020年の改正健康増進法全面施行で屋内が原則禁煙となり、路上喫煙や吸い殻の不法投棄が課題となっているたばこ。清掃ボランティア活動で現状を知った3年生4人が総合学習のテーマに設定し、解決策を考えてきた。インターネットでポイ捨て防止に高い効果を発揮している英国発の「投票式吸い殻入れ」を見つけ、市側に協力を求めて実験にこぎ着けた。

 吸い殻入れはステンレス製(高さ1.5メートル、幅0.4メートル)で「もらえるとしたらどっちを選ぶ?」という問いと、岡山ならではの二つの選択肢「A・10万円の桃1個」「B・1万円のマスカット10房」が記されている。それぞれに“投票”先として吸い殻を入れる穴があり、内部の吸い殻量が透明パネル越しに見える仕組み。1日に設置された。

 水上広場付近では生徒らが7月10日から5日間、半径200メートル区間のポイ捨て状況を調査済みで、設置後の変化を調べていく予定。2日、実証実験の概要説明などのため現地を訪れた早野響己さん(17)は「『やらされている』ではなく、楽しみながら参加できる仕掛けになっている。ポイ捨てが減って、まちの環境美化にもつながっていけば」と話した。

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