内容や課題「広く公開を」 和歌山県沖の洋上風力発電計画で県の環境影響審査会

県沖の洋上風力発電の環境評価について話し合う会議(7月31日、和歌山市で)

 関西電力などが県沖に設置を計画している洋上風力発電所の環境に対する評価について議論する、和歌山県の第2回「環境影響評価審査会」が7月31日、和歌山市であった。委員から事業者に対し、予定事業の内容や課題について、一部の自治体住民だけでなく広く公開し、多くの理解を得るべきだといった意見が出た。

 関電などは、美浜町から白浜町の沖に発電設備を50~110基設置し、最大100万キロワットの発電を目指す計画を立てている。

 審査会は大学教授や生態系の専門家らで構成。事業者が県などに提出した「計画段階環境配慮書」について議論しており、知事はこの結果などを踏まえ、8月29日までに事業者に意見を提出する。

 第2回会議では、第1回の前回会議(7月11日)で出た委員からの質問に対する追加回答や、前回会議後の追加質問に対する回答が示された。

 事業者が「配慮書」を提出したのは、市町のうち一定以上の影響が懸念される印南町と御坊市だけだったことについて、前回会議で、周辺市町の住民も資料を閲覧できるようにするべきだと指摘があった。これに対し事業者は、指摘を踏まえ、次の段階以降の手続きから検討すると回答した。

 これについて委員は「(周辺市町から)希望がなくても資料を置いて帰るなど、理解を得る努力をするべきではないか。事業開始までにできるだけ多くの賛同者を得ておくことが必要。周囲に心配する声も多い」と前向きな検討を促し、事業者は「決して知らない間に進むことはないよう、理解を得ながら進めていきたい」と答えた。

 また、生態系への影響などについての指摘や質問に対し、現在はその段階ではなく、次回以降の手続きで調査や協議するといった趣旨の回答が目立ったのを受け「聞いている範囲では答えが非常にあいまい。それでオーケーかノーか返事しろと言われても無理だ。早めに詳しいデータを取って出してほしい」「どこを見て評価していいのか分からない。時間切れで事業を進めることになってはいけない」などの意見もあった。

 次回は8月上旬に会議を開く予定。

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