Jリーグの「シーズン移行」問題、様々な項目を4つの分科会で検討・研究中…今後は「統合的な検討」を進めることに

[写真:©︎J.LEAGUE]

Jリーグは2日、「シーズン移行」に関する第4回メディアブリーフィングを開催した。

秋春制に向けた「シーズン移行」について検討をスタートしているJリーグ。現在2月から12月にかけて行われているシーズンを、8月から翌年6月までに変更することが「シーズン移行」となる。

ブリーフィングには、窪田慎二執行役員、樋口順也フットボール本部長が出席。長年話題にはあがっていた「シーズン移行」の問題だが、このタイミングで検討に向けた話が進んでいる理由をあらためて説明し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のシーズンが8月から5月開催に移行されたこと。また、ヨーロッパのシーズンとも合わせられることに加え、選手やスタッフ、ファン・サポーター、ステークホルダー、経営に関しても発展できるかどうかという観点で動き出している。

「シーズン移行」をした場合のメリットとしては、夏場の試合が減少するという点もある一方で、降雪地域での試合開催の問題や、日本の文化でもある4月〜3月という年度の考え方などが懸念事項としてあがっている。

これまで、「シーズン移行」に関してどう検討していくのかを確認し、必要な項目を洗い出した一方で、「フットボールの観点」ではメリットがあることまでは確認。6月から「フットボール分科会」、「降雪地域分科会」、「事業・マーケティング分科会」、「経営管理分科会」の4つの分科会に分かれ、さまざまなことを話し合い、問題点を洗い出すなどをしてきている。

検討事項としては「試合日程のシミュレーション」や「決算期の問題」、「降雪地域の施設」など多岐に渡り、それぞれの分科会で100人規模のミーティングが既に2回開催されているとのこと。そして、3回目が今月にも終わる予定とのことから、今後は実行委員会や理事会で検討を重ねていく「統合的な検討」の段階に入っていくとのことだ。

シーズンを移行するのか、しないのかはこの先議論を重ねていくことになるが、Jリーグや日本サッカーが今後目指すものを再度考える時期でもあるとされ、成長していく方向性も今後議論されていくこととなる。

特に「シーズン移行」で重要になるのが、試合開催について。降雪地域ではアウェイ連戦なども出てくることになるが、Jリーグは国際大会(ワールドカップやアジアカップなど)も考慮し、移行しない場合の「2026シーズンから2032シーズン」と、移行した場合の「2026-27シーズンから2031-32シーズン」の6シーズンをシミュレーションしているとのこと。ウィンターブレイクの長さの変更なども含め、今後も細かいところまでを精査してシミュレーションしていくこととなる。

【現在の検討状況】

◆フットボール分科会

・試合日程シミュレーションの確認

・フットボール水準のデータに関する意見交換

・移行する場合の「移行期の大会方式」の初期整理

・JFL/地域リーグ/大学/高校への影響の初期整理

・スタジアム確保への影響も重要論点であることの確認

・「シーズンオフ・ウィンターブレークの過ごし方」の整理を開始

◆事業・マーケティング分科会

・試合日程シミュレーションを基に入場者数シミュレーションを開始

・移行する場合のマーケティング計画の初期整理

・各種ステークホルダーに関連する検討事項の確認

・マーケティング担当のグループ討議を実施

・事業担当のグループ討議を実施

◆降雪地域分科会

・降雪地域の施設関連における情報共有

・試合日程シミュレーションの確認

・12月・2-3月のホーム開催NG期間の確認

・遠方でキャンプを行いながら試合をする期間の確認

・追加発生するキャンプ負担の確認

・ 基礎的な気象データの共有

◆経営管理分科会

・移行期(0.5 or 1.5)の検討事項の確認

・決算期の検討事項の確認

・税務の検討事項の確認

・クラブライセンスの検討事項の確認

・P/Lへの影響の検討事項の確認

・資金繰りへの影響の検討事項の確認

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