藤波辰爾 猪木さんは「まだまだ生きている」 京王百貨店新宿店で「アントニオ猪木展」 

2022年10月1日に79歳で死去したプロレスラー・アントニオ猪木さんの記録を振り返る「燃える闘魂・アントニオ猪木展」(3~15日)の開幕を前に内覧会が2日、都内の京王百貨店新宿店で行われ、猪木さんの弟子でプロレスラーの藤波辰爾(69)、女子プロレスラーのSareee(27)、猪木さんのものまねタレント、アントニオ小猪木(51)、アントキの猪木(50)が集結した。

同展で飾られるアントニオ猪木像の除幕式に臨んだ藤波は「〝猪木ロス〟が続いている。猪木さんの思い出にどっぷり浸っていただきたい。リングに上がっていても、猪木さんの目が光っているんじゃないかと思う。夢にも出てこない。まだまだ生きている感覚があるのは、僕だけじゃないんじゃないかな」と、不滅の闘魂を訴えた。

京王百貨店新宿店の地下1階で開催する同展では、猪木さんとモハメド・アリさんのガウンを同時展示するほか、試合写真のパネル、色紙など50点を展示。藤波は、猪木さんのかばんを持つ付け人時代の写真を初めて見たといい「いちばん怖かった頃の猪木さん。猪木さんのさりげない表情が、いちばん怖かった。いちばん怖い目をしている。まさかその後、戦うとはね…」と懐かしんだ。

小猪木も「猪木さんはまだまだ生きているという思いでならない。猪木さんを知っているみなさんでもう一回、闘魂を再確認したい」と語気を強める。アントキの猪木は「猪木さんが世の中に実在しようとしまいと、アントニオ猪木というものを伝えていくことが使命だと思っている。僕たちはしょせん、偽物ですから。アントニオ猪木伝説を世の中に広めていく、それだけだと思っている」と、猪木ものまねの矜持を見せた。

京王グループの京王プラザホテルは、猪木さんと女優・倍賞美津子の結婚披露宴やアリ戦の試合前会見が開かれたほか、新日本プロレス外国人選手の定宿としても知られた。猪木さんとの親和性の高さで今回の猪木展が実現したといい、企画した京王百貨店新宿店副店長の鈴木隆宏さん(54)は中高生の頃、猪木さんとUWF勢との戦いに胸を躍らせた一人だ。

京王百貨店での初のプロレス展ながら、開催前にもかかわらず写真パネルにはすでに100万円分の注文が殺到している。猪木展の集客次第で、2024年に会場を大催場に移しての「大猪木展」開催計画があるといい「現役の時にも元気をいただいた。一番輝いていた時の写真や宝物みたいなものを出しながら、元気を与えたい。猪木さんにいただいた元気を蘇らせて、暑い夏を乗り越えてもらえれば」と闘魂注入を意図した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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