「ア・イ・キ・タ」弾いてもらったときは観に来ただけ!?(アツシ)
──新宿LOFT×ニューロティカPRESENTS『Big Wednesday』vol.8は、OLEDICKFOGGYを迎えてのツーマンライブです。
アツシ:イベントで一緒になることはあるけど、ツーマンは初めてだよね?
スージー:そうですね。名古屋でスリーマンはありましたけど、ツーマンは初めてです。
アツシ:オレはオールディックの大ファンなので。ロフトの店長に言って、オファーしてもらった感じでした。
スージー:お誘いいただいてありがたいです、僕もニューロティカのファンなので。中学生の頃から聴いてます。
アツシ:中学生のときから? 嬉しいな。オレは50歳過ぎてからのオールディックファンだけど(笑)。
スージー:1995年くらいかな? 中学のとき、音楽好きのお兄ちゃんから、カセットでニューロティカとラフィンノーズを聴かせてもらって。そこからファンになりました。
アツシ:直接会ったのは、まだジェームスがギターの頃。ジェームスが「スージーはニューロティカが大好きですよ」っていうから、アンコールで「ア・イ・キ・タ」を弾いてもらってね?
──その日は対バンだったんですか?
スージー:いや、観に行っただけです(笑)。
アツシ:あれ? 正月の仲野茂さん(亜無亜危異)のイベントじゃなかったっけ?(笑) いい迷惑ですよね、すんません。
スージー:いえいえ、楽しかったです。
アツシ:その頃、オレはもうオールディックのCDは聴いてて。ロックだけど、歌謡曲っぽくもあるし、昭和の匂いがして、すごいいいなと思ってて。去年1年間、藤屋のBGMはOLEDICKFOGGYとTURTLE ISLANDと、中島みゆきしかかかってないから。それくらい聴いてる! あ、野音の次の日だけファンがいっぱい来るから、良い人ぶって竹内まりやをかけてた(笑)。
──あはは。スージーさんはあっちゃんと知り合って、直接お話するようになって、印象は変わりました?
スージー:やっぱり大先輩なんで、最初は怖いというか、緊張しましたけど。すごい気さくに話しかけてくれて、余計にファンになりましたし。ジェームスが入って、バンドの話も内側の話も聞いて、すごく面白いなと思いましたし。
アツシ:で、だんだん慣れてきて、オールディックの野音(2018年10月)の前の日には、「絶対来ますよね? 絶対来ますよね?」ってLINEが来て(笑)。もちろん行ったし、お酒が進む素晴らしいライブで。夕陽が落ちた頃が特に良かったね。
スージー:あの日、売店の酒が売り切れましたからね(笑)。
アツシ:いいね(笑)。みんなで美味しいお酒を飲んで、良い音楽を聴いてたって光景を覚えてますね。オールディックのああいう音楽は、なんて言ったらいいの? 海外の民謡みたいな、ああいうのすごい好きなんだよね。
スージー:ラスティックですか?
アツシ:ラスティックって言うんだ、勉強になったね。家に帰ってGoogleで調べないと(笑)。
スージー:ラスティック・ストンプってジャンルがあって、最初はそういう音楽をやってたんですけど。メンバーが変わっていくうちにだんだん変わってきたんですが。ボーカルがもともとハードコアとか好きで、そういうエッセンスも入れようってなったり。
アツシ:昭和歌謡も感じるのは俺だけかな?
スージー:昭和歌謡も好きなんですよ。
アツシ:やっぱり。凄いなオレ、ダテに39年もやってないな。
スージー:日本語の歌詞で歌うから、フォークの要素も取り入れたりしてます。
アツシ:オールディックの曲はハズレがないからね!
──世代も異なるバンドですが、ニューロティカとオールディックの共通点をあえて挙げるとしたら、軸にあるパンクの部分とライブバンドであるってところですかね?
スージー:そうですね、あとはお酒が好きなところとか(笑)。
アツシ:年間、何本くらいライブやってるの?
スージー:今年が80本くらいですかね? コロナ禍の最初の1年は配信含めて、10本くらいしかできませんでしたが。
アツシ:80本は凄いね、しかもワンマンが多いもんね。コロナが明けてすぐに、「オールディックのライブでみんな騒いでるよ。もう火が着いてるよ」っていう噂は聞いたよ。ウチのファンは年齢層が高いから……戻るまでちょっと時間がかかったけど(笑)。
スージー:でも、ニューロティカもコロナ禍のときもライブやってましたよね?
アツシ:できない時期はあったけど、配信を始めたのはウチが早かったと思う。しかし、オレたちも年間80本超えた年もあったけど、けっこう大変だったよ?
スージー:ほぼ毎週末ライブですね。嫁に白い目で見られてます。
アツシ:そうだよね……って、オレは嫁はいないけど(笑)。
「オレたち売れたんじゃないか?」と思いました(スージー)
──OLEDICKFOGGYは3月にアルバム『残夜の汀線 -ZANYA NO TEISEN-』をリリースしたばかりです。
アツシ:オレ、すぐにマネージャーさんに連絡したんだけど。1曲目「消えて行く前に」を聴いた瞬間、これはコカ・コーラのCMソングにオファーしたほうがいいなと思ったね。これでコカ・コーラのCMが取れなかったら、営業力不足だよ(笑)。マネージャーさんに「御社の製品にぴったりの曲をご用意して参りました」って、しっかりプレゼンして来てもらいなよ。「武道館アーティストも言ってましたので」って言っていいから(笑)。
──あっちゃん、アルバムを聴いての感想はいかがでしたか?
アツシ:もう、1曲目からぶっ飛んじゃった! どの曲もハズレなしの安定感があって、なんだろうね、あれは?
スージー:メンバーが変わったんですよ。ベース(鹿児島大資)と鍵盤(三隅朋子)が新しく入って。その2人がすごい上手くて、やり手で。2人に引っ張られたみたいなところもありましたね。
アツシ:年間80本のライブをやりながら、レコーディングはどうしてるの?
スージー:今回は8月くらいから録り始めて、1月くらいまでかかったんですが。レコーディングはけっこう頑張りました。
アツシ:スージーの好きなニューロティカのボーカルの人は、レコーディングのときにこんな話がありました。オケを聴きながら歌ってたんだけど、ベースが邪魔で。「歌いづらいから、ベースを消してください」って、ベースを消して録りました。
スージー:ベースが邪魔って、そんなことあるんですね(笑)。
──でも、ライブのときはベースが入るじゃないですか?
アツシ:ライブのときはベースを聴いてないから!(笑)
スージー:ベースに引っ張られちゃうんですか?
アツシ:引っ張られる? ……そうなのかな? 分かんないけど、今度から「引っ張られちゃうから消して」って言ったほうがカッコいいね(笑)。あと、スージーの好きなニューロティカのボーカルには、こんな話もありました。裏が分からなくて、どこで歌が入るか分からないから、肩を叩いてもらう。
スージー:ホントですか? それはさすがにジェームスも言ってなかったです(笑)。
──大先輩の話、ためにならないなぁ!(笑) OLEDICKFOGGYは、アルバムツアーを終えたばかりですが。ツアーはいかがでした?
スージー:けっこう過酷だったんですけど、各会場がめちゃくちゃ盛り上がって。ファイナルもすごい盛り上がったから、「オレたち、売れたんじゃないかな?」と思って(笑)。このまま、トントントンっと行っちゃうんじゃないか? と個人的に思いました。
──こんな良いアルバム完成して、全国29カ所もツアーを回って。いまのOLEDICKFOGGYが絶好調なんじゃないか? と思って。ニューロティカ、今回の対バンはピンチじゃないですか?(笑)
アツシ:『ビッグ・ウェンズデー』は毎回毎回、いろんなバンドにぶっ飛ばされてるから。『ビッグ・ウェンズデー』なのに、ひとつも波に乗れてないって(笑)。
スージー:ウチ、あっちゃんに頂いた、ニューロティカのカレンダーが貼ってあって。『ビッグ・ウェンズデー』の日に赤丸してあるから、「お、今月もやってるな」と思って、気にはしてます。「いよいよ、次は俺たちだな」って思って。
アツシ:それはありがたい(笑)。
スージー:あのカレンダーって、1月は4人並んでるけど、4月くらいから、メンバー1人ずつになるじゃないですか? 今月、ナボちゃん一人だったんですけど、子どもが「この人だれ?」って言ってました(笑)。
アツシ:ホントだね、知らないおじさんだよね(笑)。
スージー:いまのメンバーになって、どれくらいになるんですか?
アツシ:カタルとナボちゃんが入ったのが96年だから、もうすぐ30年くらい。ギターはRYOくんが2年やって辞めて、ジェームスが入って。3年前にRYOくんがまた入った感じかな?
スージー:メンバー同士でめっちゃ仲悪いときとかありました?
アツシ:ない! それはまったくないね。
スージー:ニューロティカは、ずっと仲良いイメージですよね。
アツシ:1週間に何回も会ってるし、「この人はこういう性格だから」って分かってるし、カタルは「あっちゃんはこういう歌しか歌えないだろう」って分かって曲作ってくるし。生きていく上で必要な3人だから、ケンカすることもないよね。メンバーとケンカとかする?
スージー:僕はしないですね。
アツシ:バンドマンなんて、サラリーマンができない変わったヤツが集まってるんだから。ケンカしても当たり前だけど。ウチのバンドは「ヤメたい」って言ったら、「はいどうぞ」って感じだし。それぞれのメンバーが、家族のためや生活のために頑張ってるから。あんまり揉めたりしないかな。
スージー:なるほど、そうなんですね。
アツシ:本来、バンドマンなんて「オレがオレが」って人ばっかりだし、そうじゃなきゃバンドなんてできないと思うし。だから、オレがもっと我が強くて、出しゃばれるタイプだったら、ウチのバンドももっと売れてたと思います(笑)。
スージー:逆に解散してるかもしれないですけどね。
──あっちゃんの人柄に、みんなが集まってくるところもありますからね。
アツシ:じゃあ、オールディックとの『ビッグ・ウェンズデー』では、ちょっと我を出してみようかな? 先輩風吹かせて(笑)。
スージー:先輩の命令で、ボーカルの伊藤(雄和)にピエロのメイクさせましょう(笑)。
アツシ:いいね、そうしよう(笑)。
──スージーさんは、ニューロティカとの『ビッグ・ウェンズデー』で、なにか楽しみにしてることはありますか?
スージー:できたらもう1回、「ア・イ・キ・タ」を弾かせて欲しいです。以前、一緒にやらせていただいたときは、30分くらい前に言われたから、楽屋で必死に練習して……。
アツシ:観に来てただけだからね、失礼な話だよ(笑)。
スージー:「ギターソロお願いします」って言われましたからね。
アツシ:GELUGUGUのGENちゃんに、「あっちゃんはニューロティカの曲を誰でもできると思ってるでしょう?」って言われた(笑)。
スージー:小峠さん(バイきんぐ)も観に来ただけなのに、すぐステージに上げられますからね(笑)。
アツシ:そうだ。小峠くんはニューロティカも好きだけど、オールディックも大好きなんだよね。
スージー:小峠さんは学生時代、ニューロティカのライブを観に行って、一緒に歌ったこともあるんですよね?
アツシ:そう。高校生のとき、博多のライブで一緒に歌ってるんだよ。じゃあ、小峠くんとオールディックとニューロティカで、「ア・イ・キ・タ」やりますか? でも小峠くんは最近ステージに呼ぶと、「もう、いいですよ!」とか言うんだよね。出しすぎてて(笑)。
スージー:あはは。今度はちゃんと練習しておくんで、「ア・イ・キ・タ」弾かせてください。前にやったとき、最後に♪ジャカジャカジャカって弾いて、ジャンプで締めるのをやれって言われて。やったことないから、失敗したんですよ(笑)。だから今回はそれをやらせてもらって、カッコ良く締めたいです。
アツシ:お~、シャッターチャンスだ。じゃあ、みんなにそれをカッコ良く撮って、SNSに上げてもらおう。
──じゃあ、あっちゃんはお返しにオールディックのステージに立って、大好きな「消えて行く前に」を歌わせてもらいますか?
アツシ:無理無理無理! いま新曲覚えなきゃいけなくて、自分のことで精一杯だから!! でも、歌うならあの曲かな? っていうのは、だいたい決めてあるから。それは次のツーマンで(笑)。
──あっちゃんはOLEDICKFOGGYを『ビッグ・ウェンズデー』に迎えてのツーマンへの気持ちはいかがですか?
アツシ:そりゃ嬉しいですよ。前から一緒にやりたかったからね。去年、ず~っと聴いてたくらい好きなんで。オールディックのライブも堪能したいです。『ビッグ・ウェンズデー』で一緒にやって、その後は「ニューロティカ×OLEDICKFOGGY」の冠掲げて、ツーマンツアーやろうか?
スージー:いいですね、すごい嬉しいです。
──スージーさん、ニューロティカとの対バンで、OLEDICKFOGGYが負けないところはどこですか?
スージー:人数ですかね?(笑) あとはニューロティカとは違ったパンクの表現ってところは負けないと思います。
──あっちゃんはニューロティカがOLEDICKFOGGYに負けないところはどこですか?
アツシ:いや、年齢とか勝ち負けとか関係なく、1日楽しく過ごせれば良いかなと思っています。
──なんですか、その逃げの回答は。せっかくスージーさんが無理してひねり出してくれたのに(笑)。
アツシ:みんな楽しく平和で健康に過ごして、僕もすごい楽しみにしてるこのツーマンを体感してくれたら嬉しいです。オレ、やる前からこんなに「楽しみ」って言ってる対バンないよね? オレの中では中島みゆきと同じレベルで好きなバンドだからね(笑)。
スージー:打ち上げはないですか?
アツシ:平日だから、軽く(笑)。その後、週末で東名阪ツアーとかやれば、しっかり打ち上げできるよね?
スージー:そうですね、楽しみにしてます!