ことし5月、愛知県稲沢市の寺で、市の文化財に指定されている「楼門」の柵や「仁王像」の腕が壊されました。
さい銭泥棒の仕業と見られています。
愛知県稲沢市にある長光寺(ちょうこうじ)。
ことし5月、江戸時代に作られ市の文化財にも指定されている楼門の柵が倒され、中に置かれている木造の仁王像の左腕がへし折られているのが見つかりました。
(長光寺 奥村文人住職)
「普段ここには、おさい銭を投げられる方がいて。柵を無理やり押して中に入って、おさい銭を取ると」
仁王像の足元には寺の参拝者が、よくさい銭を置いていくということで、泥棒がこのさい銭を盗もうとした時に仁王像の腕に当たって折れたとみられています。
(長光寺 奥村文人住職)
「今まで、おさい銭のために建具などの被害はありましたが、仏像自体の被害は初めてですかね。そのショックは大きいですね」
住職の奥村さんは事件の発覚後も警察には通報していませんでしたが、7月下旬に事件を知った檀家から「警察に伝えるべき」と言われたため、被害を届け出ました。
(檀家 浅野茂さん)
「自分の罪の深さを、よく考え反省してもらいたい。みんなが大事にしている建物を壊してしまった」
壊れた仁王像の腕の修繕には数十万円もかかる見通しだということです。
警察は、何者かがさい銭を盗んだ窃盗の疑いで調べを進めています。