子ども世界平和サミット 広島初の代表 中学生の素顔に密着

衆議院の一室で堂々とスピーチしているのは広島の中学生です。世界平和へのアイデアを10代の子どもたちが提言する「子ども世界平和サミット」の代表に広島から初めて選ばれました。彼女の素顔とサミットでの提言に密着しました。

広島なぎさ中学校3年 河村波音さん「今皆さんに真剣に問いたい。もし友達が戦争に巻き込まれたらどうしますか?」

流ちょうな英語で語りかけるのは、広島から初めて選ばれた中学3年生の河村波音さん。1日に衆議院の国際会議場で子ども世界平和サミットが開かれました。20カ国およそ200件の応募の中から代表に選ばれた9カ国12人が、平和を実現するためのアイデアを発表します。

河村さんは広島市内の中学校に通う3年生。留学生を学校に招いて交流会を開いたり、平和活動を行ったりする部活に入っています。

広島なぎさ中学校3年 竹岡伊代莉さん「(河村さんは)留学生が来た時もすぐ仲良くなって、これからすごく成長していくというかもうしてる」

広島なぎさ高校2年 岡本華奈さん「平和への思いがしっかりしていて、これから国際部を引っ張っていってくれる存在」

今回、子ども世界平和サミットに応募したきっかけは被爆者でもある祖母の勧めでした。

河村波音さん「祖母は原爆が投下された当日が1歳の誕生日。曾祖母から当時の光景や出来事を代々受け継いでいる。幼い頃から話を聞いていたから平和への思いが強い方、やってみようかなと思った」

スピーチに与えられる時間は3分半。河村さんはタイへ交換留学に行った経験から、世界各国の学校が姉妹校提携を結び、子どもの頃から交流することで友好関係を築くプランを提案します。

河村波音さん「私が伝えたいのはもし自分の友達が戦争に巻き込まれたらあなた達はどうしますか?という問いかけ。ウクライナ侵攻や世界でいろいろ紛争が起きているが、かわいそうだと思う気持ちがあってもどこか人ごとになってしまっている。タイの交換留学で仲良くなった友達がもし戦争に巻き込まれたらどうにかして助けてあげたい気持ちになる。人と人とのつながりを広げていくことが世界平和につながるのでは」

そして子ども世界平和サミット当日。英語で力強く訴える河村さんの姿がありました。

河村波音さん「次世代を担う私たち若者が国際交流を通じて友好関係を築けば必要な時にお互い助け合うことができるでしょう。私たちは強力なネットワークを広げる必要があります。これ以上戦争が起きる前に」

12人の代表のうち特に素晴らしい内容だった3人に河村さんも選ばれ、表彰されました。

河村波音さん「一人ひとりに思いが伝えられた気がしてすごくうれしい。私のアイディアが本当に実現できたらと思っていて(会場の)各国大使にも思いが伝わっていてほしい」

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