宮島の夏の伝統行事「管弦祭」 本番前に “漕ぎ伝馬” で安全を祈願 広島の街に響く太鼓

3日、広島県の宮島にある厳島神社では、日本三大船神事の1つ「管絃祭」が行われます。その管弦祭で漕ぎ伝馬を漕ぐ人たちが、広島市の神社で安全を祈願しました。

強い日差しが照りつける中、太鼓を打ち鳴らしながら、漕ぎ伝馬が広島市中区にある空鞘稲生神社まで上ってきています。海沿いの江波地区からやってきた漕ぎ伝馬に乗っているのは、法被を着たおよそ30人…。

川沿いにあるほかの神社にも立ち寄りながら、およそ1時間半かけてやってきました。3日の管絃祭を前に、船の「漕ぎて」の安全などを祈願しました。コロナ禍もあり、4年ぶりの参拝だということです。

管絃祭は、およそ800年前、平清盛によって伝えられた厳島神社最大の夏の行事です。厳島神社の御神体を「鳳れん」と呼ばれるみこしに移し、対岸の地御前神社までの間を往復します。その鳳れんを乗せた管弦船を引く大役を務めるのが、江波地区と呉市の阿賀地区からやってくる「漕ぎ伝馬」です。

江波漕ぎ伝馬保存会 川江晴人 さん
「とても体力を使うが、土手から見てくれている人がいたことが力になった。多くの人に見られると思うので、見られて恥ずかしくないようがんばりたい」

空鞘稲生神社 宮司 内田嘉彰 さん
「管絃祭は広島で数少ない伝統行事なので立派にやってもらいたい。現地に行くとみんな元気にやっている。おもしろい。がんばってほしい」

参拝を終えると、漕ぎ伝馬は3回転する儀礼をしました。そして、原爆ドームなどに立ち寄りながら、江波に向けて帰っていきました。

宮島の管弦祭は、3日の夕方から深夜まで行われます。

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