ネタバレ厳禁、ヨーロッパ企画の新作は「イカれた」推理劇

結成25周年を迎えた京都のコメディ劇団「ヨーロッパ企画」が、新作『切り裂かないけど攫(さら)いはするジャック』で、全国ツアーをおこなう。劇団代表で作・演出の上田誠と出演者たちによる記者発表会が、8月1日に大阪市内でおこなわれた。

ヨーロッパ企画『切り裂かないけど攫いはするジャック』作・演出の上田誠(上段左端)と出演者たち(1日・大阪市内)

■ 「集大成かつ、新たなヨーロッパ企画を」

ギャグやストーリーで笑わせるというより、大掛かりな舞台美術やユニークな仕掛けによって、ほかにはない笑いを生み出すのがヨーロッパ企画の特徴。今回は19世紀末のロンドンを舞台に、スコットランドヤードの刑事と推理好きの婦人が、街の人たちが恐れる「ジャック」という人さらいの謎に迫る「ミステリーコメディ」になるという。

ヨーロッパ企画『切り裂かないけど攫いはするジャック』メインビジュアル(宣伝美術:山下浩介)

冒頭の挨拶では、ほぼ全員が「私がジャックです」と言い出して、早くも記者たちを翻弄。上田は「25周年公演ということで、わかりやすく気合が入っています。集大成かつ、今後の新たなヨーロッパ企画を切り開く作品になれば」と意気込んだうえで「パズルっぽい脚本が得意なので、いつかミステリーはやるときが来ると思っていました。オカルトとロジカルが混ざった、ビクトリア時代特有の喧騒のなかで、推理劇を繰り広げます」と明かした。

■ 「今回だけは本当にネタバレ厳禁」

ちなみに事件の真相は、すでに決まっているそう。劇団員は「『なにそれ?』みたいな変な展開」(諏訪雅)「イカれた発想。僕も一緒に、その境地に付いていきたい」(永野宗典)と口々に称えていたので、種明かしに期待が持てる。上田は「僕がジャックかもしれないので(笑)油断なきよう。今回だけは本当に、ネタバレ厳禁でお願いします」と念押しした。

ヨーロッパ企画『切り裂かないけど攫いはするジャック』作・演出の上田誠(1日・大阪市内)

劇団員のほかには、金丸慎太郎、早織、藤松祥子、内田倭史、岡嶋秀昭が出演。全国10カ所のうち、関西は9月9日に「栗東芸術文化会館さきら」(滋賀県栗東市/プレビュー公演)、9月14~17日に「京都府立文化芸術会館」(京都市上京区)、10月20~22日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)で上演。

滋賀・京都公演は現在チケット発売中で、大阪公演は8月5日から発売開始。料金は公演地によって異なる、詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/吉永美和子

ヨーロッパ企画『切り裂かないけど攫いはするジャック』

【滋賀公演】
期間:2023年9月9日(土)
会場:栗東芸術文化会館SAKIRA(さきら) 中ホール(滋賀県栗東市綣2-1-28)
料金:一般3000円、学生2000円

【京都公演】
期間:2023年9月14(木)~9月17(日)
会場:京都府立文化芸術会館(京都府京都市上京区寺町通広小路下ル東桜町1)
料金:一般6000円、U-25※前売りのみ2500円、平日割5500円

【大阪公演】
期間:2023年10月20日(金)〜22日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪府大阪市北区茶屋町19−1)
料金:S席7000円、A席5500円

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