全国初「ふるさとブックオフ」 無書店の町に本買える場を

オープンした「ふるさとブックオフ」の店舗で本を探す高校生ら=2日午後、岩手県西和賀町

 町内に約15年間、書店がなかった岩手県西和賀町で2日、中古書籍の買い取り販売を手がける「ブックオフコーポレーション」と連携した書店がオープンした。同社が自治体と協定を結び、無書店地域の解消など地域振興に貢献する「ふるさとブックオフ」の全国初出店となる。

 店舗があるのは、町の屋内温泉プール施設のロビー。本棚には小説や漫画、子ども向けの絵本や図鑑などが並び、蔵書約3千冊。町水泳協会が運営を担い、ブックオフの商品を受託販売する。買い取りはせず、同社の担当者が定期的に本の補充を行う。

 待望のオープンとなったこの日、夏休み中の小学生らが多く訪れた。

 町によると、約15年前に唯一の書店が閉店して以降、書店のない状態が続いていた。書店で本を買うには、隣の北上市や秋田県横手市に足を運ぶしかなかった。

 出版文化産業振興財団の昨年9月時点の調査によると、書店がない自治体は全国で456市町村(全体の26.2%)。都道府県別に見ると、岩手の無書店率は21.2%、最も高い沖縄は56.1%だった。

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