<レスリング>【2023年インターハイ・特集】全国大会未勝利のチームが3位入賞、来年はさらに層が厚くなる…猪名川(兵庫)

 

 3月の全国高校選抜大会で初の全国王者を輩出し(51kg級・赤木烈王)、一貫強化で飛躍している猪名川(兵庫)が、学校対抗戦初日に団体戦の通算初勝利をマーク。勢いに乗って準決勝まで進んだ。埼玉栄(埼玉)に敗れて決勝進出はならなかったが、表彰台に上がる快挙を達成。来年以降のさらなる飛躍を感じさせてくれた。

▲埼玉栄(埼玉)との準決勝は、51kg級のあと55kg級の森日我が勝ち、いい出だしだったが…

 埼玉栄戦は、51kg級の赤木と55kg級の森日我が連勝。いいムードをつくれたが、優勝経験もあるチーム底力は強く、その後は5連敗。チーム力の違いを見せつけられた。池畑耕造コーチは「軽量3階級で勝ち、その後で1勝して決勝へ進むつもりでしたが…。相手の方が一枚上手でしたね」と振り返った。

 3番手の選手が先制点を取った時は「行ける」という気持ちだったそうだが、「勝ち慣れてチームの強さ、勝ち方を知っている選手の強さ、を感じました」と、相手をたたえた。

防御に難があったが、「技術も体力づくりもこれから」

 しかし、全国大会未勝利で、「まずは1勝、が最低限の目標でした」というチームが、強豪新人が加入したとはいえ準決勝まで進出したのは特筆すべきこと。その点は「よく頑張ったと思います」と、自チームの選手をねぎらった。

▲準決勝のあと、選手を励ます池畑浩造コーチ(中央)と浅井功監督

 試合内容では、ローリングやアンクルホールドが一回決まってしまうと、その後も何回転もしてしまって試合が終わることが目立った。5敗のすべてが2分以内(3試合は1分以内)で終わっており、防御に難があるのが現実。「課題ですね。まだ練習が足りていないですし、1、2年生のチームですので、技術も体力づくりもこれからです。このあと、伸びる選手たちです」と話し、前を向いた。

 来年は猪名川クラブの強豪中学選手が4人ほど入る見込み。「さらに層が厚くなり、チーム内で切磋琢磨できる状況になると思います」と話す。今年の団体戦は終わったが、国体など個人戦の大会がある。「来年につなげるためにも頑張らせたいです」と話し、今年の下半期と来年への健闘を誓った。

© 公益財団法人日本レスリング協会