県内初米ぬか風呂 七尾・郡町に専門店オープン 血行促進肌質改善「働く女性応援」

利用客に米ぬかをかける山田さん=七尾市郡町

 七尾市郡(こおり)町に、米ぬかの発酵熱で体を温める女性専用の「米ぬか酵素風呂」の店がオープンした。店を構えた同市の山田薫さん(60)によると、県内初の専門店となり、血行促進や肌質改善に効果があるとされる。3月に介護施設を定年退職した山田さんは「第二の人生」の夢だった米ぬか風呂の開業を実現し、「働く女性に少しでも癒やしを届けたい」と意気込んでいる。

 米ぬか風呂はスギの浴槽に約400キロ分の米ぬかが入っており、利用者は横になって埋まるように入浴する。米ぬかの中は約60~70度の温度になり、全身を芯から温めることができる。冷え性や体の凝りの改善につながり、米ぬかに含まれるミネラルやビタミンなどの栄養素の効果で、肌の調子を整えることができるとされる。

 山田さんは市内の介護施設に長年勤め、日々の疲れを癒やそうと5年ほど前に県外で米ぬか酵素風呂を体験したところ、効果を実感。自分と同じように疲労に苦しむ女性を助けたいと、退職後の開業を目標としていた。

 開業に向けては、のと共栄信用金庫、七尾商工会議所などの創業支援事業「ななお創業応援カルテット」に相談し、事業計画の作成や資金の支援を受けた。県信用保証協会の女性支援チーム「エクート」も協力した。

 店は国道160号沿いの空き店舗を改装し、1日にオープン。山田さんのニックネームである「KANKUN(かんくん)」と名付けた。入浴は1回15分で初回は2500円(税込み)、2回目以降は3500円(同)となる。

 初めて体験したという七尾市の中田智美さん(37)は「入浴した後は肌がしっとりしていて驚いた。くせになりそう」と満足げで、山田さんは「これからも多くの人に喜ばれる店にしたい」と意欲を見せた。

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