6日開幕の第105回全国高校野球選手権大会に出場する富山商ナインは2日、甲子園を見学した。同校としては9年ぶり17度目となる夏の聖地に、選手たちは笑顔いっぱいでグラウンドの感触を確かめた。エースの上田海翔主将(3年)は「ここで校歌を歌いたい」と初戦突破と、目標の4強へ闘志を燃やした。
ナインは15分間の持ち時間で、打席やマウンド、内外野の守備位置に立ち、試合のイメージを膨らませた。ボールを使えないため、投手陣はマウンドで軽く腕を振り、ゴロ処理の動きなどを確認した。野手は外野への大きな当たりやヘッドスライディングでの生還の真似をするなどして攻撃の意識を高めた。終始リラックスした表情だった。
甲子園見学後は、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場で練習に臨んだ。
県大会後、ボールを使った本格的な練習は今回が初めてで、ナインはノックやケースバッティングなど守備をメインとした練習に汗を流した。「わくわくしている。富山の学校の思いを背負い、一つ一つ勝つ」と上田主将。前﨑秀和監督は「意外と疲れが抜け、顔色も悪くない」と話し、選手のコンディションの向上に万全を期したいとした。
●3日抽選会
大会の組み合わせ抽選会は3日、大阪市のフェスティバルホールで行われる。
●不振の竹田「猛打賞を」
「ナイスボール」「勝負やぞ次」「ファイトー」。富山を離れ、現地入りしてから初の練習で、副主将の竹田哩久(3年)の元気な大きな声がグラウンドにひときわ響いた。
明るい性格でチームのもり立て役。1年時の夏の県大会から遊撃手として出場し、打線では上位に座るが、今夏の県大会は打率2割1分7厘と思うように振るわず、本人いわく「恥ずかしい結果」に終わった。「フリー打撃は悪くないのに試合で打てない」。救いは決勝で放ったチームを勢い付ける2点適時打で、「結果オーライ」と笑って受け止めている。
趣味の海釣りは昨年の秋季県大会で3回戦負けしてから封印している。今も打撃面に不安を残すものの、「我慢、我慢で釣りと一緒」と前を向く。
「本番は甲子園。どれだけ活躍できるか。猛打賞を狙います」。悩めるムードメーカーは、まだまだ暴れ足りない。