相互交流拡大を期待 馳知事が訪韓 全羅北道副知事と夕食会

金副知事(右)のあいさつを聞く馳知事(左)=韓国・全州市

 【全州=吉免宏樹】馳浩知事は2日、韓国入りし、県の友好交流地域である全羅北道で、金鍾熏(キムジョンフン)経済副知事主催の歓迎夕食会に出席した。あいさつで馳知事は2021年に友好交流に関する合意書締結20周年を迎えたことに触れ、「今回の訪問を機に交流を深め、新しい時代をつくっていきたい」と呼び掛けた。金副知事は道内で26年に国際空港が開港することを紹介し、相互交流がさらに深まることを期待した。

 石川県知事の訪韓は11年の谷本正憲氏以来、12年ぶりで、馳知事は初めて。コロナ禍で中止されていた対面での交流が再開されるのは4年ぶりとなる。県と全羅北道は合意書に基づき、21世紀石川少年の翼事業での中学生の派遣・受け入れ、職員の相互派遣などに取り組んできた。

 馳知事は文化が世界平和に貢献するという持論の「文化安全保障」を紹介し、「経済、観光、若い人の交流を通じて両県道の関係が深まることを願う」と語った。

 金副知事は全羅北道で開催中の世界スカウトジャンボリーの会場となっている干拓地「セマングム」で国際空港の整備が進んでいることを説明した。その上で「全羅北道は伝統と未来が共存する地域。石川は文化や歴史、主力産業など共通点が多く、より一層の交流で最もたくましい隣同士になることを願う」と話した。

 県議会訪問団7人も出席し、焼田宏明県議会議長が乾杯の発声を行った。

  ●少年の翼も現地入り

 馳知事が団長を務める21世紀石川少年の翼派遣団も韓国入りした。中学生の団員12人は出発前、小松空港で結団式に臨み、代表して津幡中3年の竹口徹さんが決意表明した。2日からホスト家族の元でホームステイし、7日に帰国する。

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