細胞を支える小器官たちの働きとは!?1個の細胞の活動を支える「オルガネラ」とは【図解 病理学の話】

ミトコンドリアはエネルギーを生みだす

細胞をもう少し詳しくみると、原形質と呼ばれる半流動性の水分の中に粒子の大きな別の物質が溶けている「コロイド溶液」からなっています。

核やゴルジ体、ミトコンドリアなどのさまざまな形態や機能を持つ「細胞小器官」が存在し、これらがそれぞれの役割をはたしながら、生命を維持しています。

核は2層になった核膜によって核以外の部分は「細胞質」と隔てられ、核膜には角膜孔と呼ばれる多数の孔が開き、核と細胞質の間で物質のやりとりが行われます。

細胞は固有の機能を持つさまざまな細胞小器官と、体積の約70%を占める「細胞質基質」と呼ばれる半透明の液体に分かれます。

細胞質に多くみられる扁平な袋状の小器官を「小胞体」といい、表面に「リボソーム」というタンパク質の顆粒がついた「粗面小胞体」と、表面がつるつるした「滑面小胞体」の2種類があります。「

「ゴルジ体」は、細胞外へ分泌されるタンパク質に糖を追加したり、細胞内の不要物を消化する「リソソーム」を合成したりします。

「ミトコンドリア」では、糖や脂肪と酸素から細胞の活動に必要なエネルギーである「ATP(アデノシン三リン酸)」を産生します。各細胞内に数百個存在し、特に細胞内で大量のエネルギーを使う筋細胞や肝細胞などには多く、数千個存在するといわれています。

細胞膜」は、細胞全体を包む、厚さ約10nm (ナノメートル/100万分の1mm)という非常に薄い膜です。通常、2層になっており、これにより細胞内の環境を一定に保ち、不要な物質の進入を阻止する働きがあります。

細胞を支える小器官たち

細胞膜

酸素、二酸化酸素を通し、水溶性物質は通しにくく、細胞内の環境を一定に保つ。

リソソーム

加水分解酵素でタンパク質や脂肪を分解する。

細胞質基質

細胞質から細胞小器官を除いた部分。タンパク質、アミノ酸、グルコースなどが含まれる。

ミトコンドリア

酸素を使い、エネルギーをつくる。

リボソーム

RNAからたんぱく質を翻訳する場。

粗面小胞体

タンパク質を合成する。

滑面小胞体

脂質成分の合成、ホルモンの合成。

ゴルジ体

タンパク質を運び、細胞外に分泌する。

ミトコンドリアはエネルギー「ATP」を生みだす

細胞の小器官を総称して「オルガネラ」といい、協力しながら、1個の細胞の活動を支えているんだ!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!消化管のおもな病気と症状とは?

放っておくとがんになる炎症とポリープ

消化管とは、口腔から始まり食道、胃、小腸、大腸を経て肛門までの食物の通路のことをいいます。食道から胃までを上部消化管といい、食道にみられる病気で、近年増えているのが食道の粘膜が炎症をおこした「食道炎」です。その症状は、胸部の痛み、下障害(飲み込みにくい)、胸やけ、 香酸、などがあります。食道炎の中で多いのが「逆流性食道炎」で、これまでは高齢者に多くみられましたが、最近では若い人にも増えてきました。放置すると潰瘍に進行し、食道がんのリスクも高くなります。便秘が原因のひとつとされており、食生活にも注意が必要です。肝硬変患者の3大死因のひとつとなっているのが「食道静脈瘤」です(そのほかは肝がん、肝不全)。食道粘膜の下層にある静脈が太くなり瘤のようになった状態です。これは「門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)」が原因となって発症します。「門脈」とは、腸で吸収された栄養素を肝臓に送り込む血管のことで、門脈を通して取り込んだ栄養は肝臓で処理されて全身に運ばれます。

しかし、肝硬変になると血液が流れにくくなり、それまで門脈を流れていた血液は、本来のルートからはずれて食道の血管を流れるようになります。食道への血流が多くなる結果、血管が船のようにふくれあがって食道静脈瘤になります。手当が遅れると瘤が破れ大出血してショック死をすることもある怖い病気です。胃の粘膜の炎症でおきる「胃炎」は、急性胃炎と慢性胃炎に分けられ、急性胃炎は喫煙、暴飲暴食、アルコール飲酒、ストレスが原因のものと、感染性(ブドウ球菌、アニサキス)があります。慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)、や加齢などの複数の因子が絡み合っているとされます。胃の粘膜にポリープができる「胃ポリープ」には、放置しても問題のない「胃底腺ポリープ」、比較的ピロリ菌が下人でなることが多い「過形成性ポリープ」、正常組織よりがんを発症しやすい前がん病変と考えられている「胃腺腫ポリープ」などがあります。

消化官のおもな病気

口腔

歯周病・口の中の腫瘍・嚥下障害など

食道

食道炎・食道静脈瘤など

胃炎・胃ポリープなど

十二指腸

十二指腸潰瘍・十二指腸炎

小腸

クローン病・小腸腫瘍など

大腸

大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎など

肛門

痔核疾患・痔ろう

★生命の設計図といわれるDNA ★細胞には2通りの死に方がある!? ★貧血はどうして起きるの? ★がんって本当に遺伝するの?
などなど気になるタイトルが目白押し!

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【書誌情報】 『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』 著:志賀 貢

病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊。細胞、血液、がんーー生命の不思議と病気の原因を、面白くわかりやすく探る!

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