【新型コロナ】塩野義の「ゾコーバ」、重大副作用にアナフィラキシー追加

 厚生労働省は、新型コロナの治療薬として特例承認されている塩野義製薬の「ゾコーバ」の副作用の調査結果を検討した結果、薬を投与する際必ず添付する文書に、重大な副作用として「アナフィラキシーショック」が追加されると発表した。

販売後調査で重篤な副作用報告18件

 厚労省はそれに先立ち、検討する専門部会に出された資料として塩野義製薬がまとめた「市販後安全性情報」を掲載した資料を公開している。これによると、昨年11月24日から今年7月16日までに「ゾコーバ」を投与された患者は推定24万人弱で、その間重篤な副作用が報告されたのは18例。添付文書に注意喚起として掲載されることになったアナフィラキシーショックは2例だが、他にも激症肝炎、急性腎障害などが報告されていることが明らかになっている。

 なお「ゾコーバ」は新型コロナに感染した直後、軽症の患者に投与する薬とされている。臨床試験で示された効果としては、飲まない場合と比べ、症状軽快までの時間を24時間短縮できるとしているが、重症患者には使えず、併用不可の薬が36種類あげられている。臨床現場からは、基礎疾患のある高齢者、妊産婦などに処方することができないとの声も多く上がっている。

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