吉野ケ里遺跡、9月23日に発掘再開 一般公開、発掘体験会も

昨年度の発掘調査の様子。甕棺墓が密集する区画で発掘を進める作業員=2023年1月、神埼市郡の吉野ケ里遺跡

 国指定特別史跡・吉野ケ里遺跡(神埼市郡)の北墳丘墓西側の「謎のエリア」の発掘調査に関して、佐賀県は9月23日に再開することを明らかにした。6月に調査した弥生時代後期~終末期の石棺墓(せっかんぼ)の周辺などを調べるといい、新たな発見があるかどうか注目される。一般公開も予定している。

 吉野ケ里の発掘調査は昨年度、10年ぶりに実施され、日吉神社参道の北側から調査し、弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ)列を確認した。本年度は南側を調査しており、「×」などの線刻を施した石ぶたを載せた石棺墓が見つかった経緯がある。9月に再開される調査に関しては、石棺墓周辺に加えて、他の場所にどうトレンチ(試掘溝)を広げるか検討中という。

 今回は昨年同様、発掘作業を9月23日から一般公開する。取り組みの一環として、10月の毎週日曜と、11月12日に「発掘調査体験会」を実施する。神社跡北東側の区域で、実際に使用されている道具を使って土器片などを見つける作業を約40分間体験してもらう。定員は1日120人程度で、8月1日から特設サイト「ナゾホルよしのがり」で受け付けている。応募多数の場合は抽選となる。参加無料。

 県文化財保護・活用室は「発掘現場に近づいて見られるとともに、本物の発掘ができる貴重な機会になると思う」と参加を呼びかけている。(大田浩司)

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