「こんなに長引くとは」「早く帰りたい」避難所も非常用電源で扇風機 沖縄11市町村の避難所で停電 台風6号(8月2日まとめ)

 動きが遅い台風6号は停電を長引かせ、県民に深刻な影響を与えている。午後3時時点の本紙のまとめでは沖縄市、うるま市、宜野湾市、南城市、北中城村、読谷村、渡嘉敷村、座間味村、伊平屋村、八重瀬町、与那原町の11市町村が設置した避難所で停電が発生した。那覇市は停電により避難所3カ所を閉鎖し、避難者を別の避難所に移動させた。

 2日午後4時半ごろ、沖縄市体育館には37人が避難していた。1日午後8時半ごろから体育館は停電が続き、非常用電源を使っている。館内は蒸し暑く、設置された扇風機の前で子どもが涼む姿も見られた。1日夜から避難する60代女性は「停電でシャワーや自動販売機も使えない。早く家に帰りたい」と嘆息した。

 那覇市は停電の影響で、1日午後11時に繁多川公民館、若狭公民館、2日正午に小禄南公民館の計3カ所の避難所を閉鎖した。1日の午後2時から小禄南公民館に避難し、2日に那覇市中央公民館の避難所に移動してきた60代の女性は「テントがあってプライバシーも確保されている。職員も親切だ。ありがたい避難生活だが、台風は早く過ぎてほしい」と話した。

 離島でも停電が相次いでいる。伊平屋村の新垣仁美さん(61)の自宅では、1日午後9時ごろから停電が続く。冷房が使えず、2歳の孫は暑さで何度か夜中に起きて泣いていたといい「こんなに停電が長引くとは思わなかった。とにかく早く電気がついてほしい」と願った。

 1日午後3時ごろから、名護中央公民館に避難している新垣良宏さん(76)と妻の由美子さん(73)は、自宅に帰る山道に倒木がないか心配と困った表情を見せた。

 (古川峻、金城大樹、武井悠、藤村謙吾)

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