サッカー男子 国見が19年ぶり4強! 北海道インターハイ

【サッカー男子準々決勝、矢板中央―国見】後半30分、体を張ってクリアする国見の選手たち=旭川市、カムイの杜公園多目的運動広場

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第12日は2日、各地で6競技が行われ、長崎県勢はサッカー男子準々決勝で、国見が矢板中央(栃木)に0-0からのPK戦3-2で競り勝ち、優勝した04年中国インターハイ以来、19年ぶりに4強入りした。

◎すごみ増す 鉄壁の守備

 鉄壁ぶりが試合のたびにすごみを増していく。サッカー男子の国見が無失点のまま準決勝まで勝ち上がってきた。4強の中で失点がないのは国見だけ。「空中戦で勝てないし、パワーも相手が上。それでも決定機はほとんど与えていない」。木藤監督は新たな歴史をつくっていく選手たちを頼もしそうに見つめた。
 放ったシュートは前半ゼロ、後半も2本にとどまったが、失点しなければ負けるわけがない。前後半70分で試合を決めたかった矢板中央(栃木)を尻目に、最後はPK戦で粘り勝ちした。
 「世代別代表みたいなタレントがいなくても、うちはチームで戦える」と主将のDF平田。ラグビー選手のような力自慢がそろう相手に1対1で思い切りぶつかり、ボールを奪えずとも味方がカバーの意識を高く保ってピンチの芽を摘んだ。
 試合がなかった前日は宿舎近くにある神楽温泉を訪れて英気を養った。名湯でリフレッシュした選手たちは縦横無尽にピッチを駆け回り、前線もプレスをサボらず全員守備を徹底した。
 12年ぶりに出場した昨冬の全国選手権は3回戦進出と健闘。それでも木藤監督は「ベスト16ではインパクトがない。国見はやはり国立に行かないといけない」と痛感したという。全国4強は、冬に置き換えると国立競技場で試合ができる高校サッカー界の“勲章”だ。
 大舞台になればなるほど強いあたりは国見の伝統だろう。夏の優勝旗まであと二つ。名門の10番を継承するFW中山が仲間に向かって叫んだ。「無失点優勝、あるよ。国見に希望を与えるぞ」。青黄のユニホームが最も似合う頂へ、このまま一気に登り詰めてみせる。


© 株式会社長崎新聞社