宮崎駿監督、泣く…!

8月3日放送の「ZIP! 」(日本テレビ系)では、米津玄師さんがVTR出演。

米津さんは宮崎駿監督最新作「君たちはどう生きるか」の主題歌「地球儀」の制作秘話を語り注目を集めました。

(画像:時事通信フォト)

■「パプリカ」はジブリ作品に影響を受けていた

番組では、米津さんにとっての初めてのジブリ作品が小学生時代に見た「千と千尋の神隠し」だという話題に。

主人公の千尋とほぼ同世代だったこともあって、米津さんは「あの映画はものすごく私ごととして見ることができたんですよね。道を歩いてても真っ直ぐ行ったら『千と千尋』みたいな世界がどっかで待ってるんじゃないかとかお化けが写るんじゃないかとか、インスタントカメラで撮ってみたり。目に映らないものに興味のある子供でしたね」と当時の思い出を振り返ります。

米津さんによると「そもそも『パプリカ』を作ったきっかけの1つに宮崎さんの存在は大きくあったんですね。子供が歌う応援歌、色々悩んだんですけど、そこで宮崎さんが子供に対してどう向き合ってきたのか、今一度自分の中で消化してみようと思って」とFoorinに提供したヒット曲「パプリカ」を作る前にジブリ映画を見返し創作のヒントにしていたとのこと。

そんな米津さんは「要するに子供をなめない。ちょっと歌いにくいかもしれないし、言葉もよくわかんないかもしれないけど、あなた達どう思いますか?っていうそういう態度でいることが非常に重要なんじゃないかなと思ったので」と歌詞を幼稚にしすぎないことに気を配ったことを明かします。

■米津玄師、「地球儀」制作秘話を明かす

すると、「パプリカ」を宮崎監督が気に入り主題歌のオファーが米津さんに舞い込んだのだとか。

主題歌を制作するにあたり米津さんは4年前に宮崎監督と面会し、この時、5冊分ぐらいの絵コンテを宮崎監督から手渡されます。

米津さんによると「特にオーダーとかもなく、『この映画からあなたが感じたことをそのまま曲にしてください』ってそういう形だったんで」と、宮崎監督からは細かな指示はなくオーダーを受けたとのこと。

その後、2年間ほど試行錯誤が続いた米津さんは「『地球儀』は実際この映画に直接関係があるわけではないんですけど、『崖の上のポニョ』を作ってるドキュメンタリー映像を見てた時に宮崎さんが地球儀を持っていて、その上から水彩絵の具でペンを走らせるっていう。ジブリの近所の光景をそこ(地球儀)に描いてたんですよね」とアニメ制作をする宮崎監督の姿が目に留まります。

米津さんは「本当に地球・世界を作り上げるような姿を見て、宮崎さんの本質的な部分が詰まってる思った記憶があって、そのことを思い出しながら地球儀を回すようにっていう歌詞が出てきて」とそこからインスピレーションを得て歌詞を綴ったことを明かしました。

■米津玄師の曲に宮崎駿が涙

曲が完成した米津さんは「宮崎さんはCDでしか音楽を聴く環境がないということで、実際にCDを手で持って渡しに行く…一緒に聴くっていう時間があって、これは本当に死刑台にのぼるような気持ちというか、できるなら今すぐ逃げ出したいってそういう気持ちになったのを覚えてます」とCDを持参して宮崎監督のもとを訪問。

米津さんは「歌詞が書かれた紙を持ちながら聴いてくれてはいたんですけど、涙を流してくれて彼(宮崎監督)がね、その光景その顔は多分一生忘れることはないんだなっていう風には思います。その事実をこれから先も宝物のように抱えながら生きていくんだなとは思っています」と曲を聴いた宮崎監督は涙を流したことを明かしたのでした。

今回の放送にはネット上で「地球儀が出来るまでのストーリーを話してくれた」「監督の目から涙が」「死刑台にのるような気持ちで作った曲。宮崎駿さん地球儀を見せたら涙を流してくれてその事を宝物のように抱えながら生きていく米津玄師」「ZIPのインタビュー米津さんの想いが聴けて素敵なお姿見られてとても良かったですありがとうございました」などのコメントが上がっています。

米津さんが苦労の末に完成させた曲を聴いた宮崎監督が涙を流したという話を聞いて感動した人が多かったようです。

何年もかけて繋がった『地球儀』と『君たちはどう生きるか』、作品への想いがより一層深まったファンも多いのではないでしょうか。

(文:かんだがわのぞみ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)

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