中国ドラマ版「テニスの王子様」主演のチン・ジュンジエ最新作に注目!

武侠ドラマ「飛狐外伝(ひこがいでん) レガシー・オブ・ヒーロー」は日本でも“武侠小説の大家”として圧倒的な人気を誇る金庸の名作をドラマ化。原作小説は「雪山飛狐」の前日譚を描いたスピンオフで、この2作はこれまでにも繰り返し映像化されています。

物語の主人公、胡斐(こひ)を演じるのはチャン・イーモウの映画『王妃の紋章』(06)でデビュー、高校生の時に日本漫画「テニスの王子様」中国ドラマ版に主演したチン・ジュンジエ。中央戯劇学院に進学して順調にキャリアを重ね、日本では「麗王別姫~花散る永遠の愛~」(17)のアレン・レンが演じた主人公のやんちゃな弟役で注目され、主演作も次々と日本に上陸するようになりました。

彼は「龍珠伝 ラストプリンセス」(17)でも本作と同じく辮髪姿になっていましたが、このスタイルが意外にもけっこうお似合い。また、武侠ドラマ「聴雪楼 愛と復讐の剣客」(19)のように落ち着いたクールなキャラもアリですが、「ロマンスは夏色~恋愛の再発見!~」(22)のようにちょっとダメなところが女心をくすぐるキャラもハマるので、本作の胡斐役にぴったりです。

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胡斐は若さゆえの怖いもの知らずで、度胸と義侠心で世を渡る熱血青年。彼の父・胡一刀は悪事をなす者を一刀の下に斬り捨てる腕利きの侠客として天下にその名を知らしめましたが、苗人鳳との手合わせで絶命、その原因は刀に塗ってあった毒のせいで、父を助けようとした母も命を落としました。そのため彼は強くなっていつか苗人鳳と対決し、両親の敵を討ちたいと考えています。

また、彼はこの世の悪事は絶対に見過ごせないという強い正義感があり、旅先で出会った袁紫衣と意気投合すると、悪人に大胆に立ち向かっていきます。ただ、まだ若い彼は世間知らず。そのため悪人の罠にはまったり、危険な目に遭ったりすることもしばしば。そんな苦難を乗り越えながら大きく成長していくことになります。

ちなみに、恋愛に関してはかなり鈍いほう。自分以上に勇ましく義侠心のある袁紫衣に惚れますが、なぜか冷たい態度を続ける彼女の苦渋の胸の内が見抜けません。さらに、自分に健気な想いを寄せる程霊素の気持ちにも気づくこともありません。そんな彼の不器用な恋の行方からも目が離せなくなります。


TEXT: 小酒真由子

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