「死後の混乱回避」へ世襲決断 カンボジア首相が最後の演説

3日、環状道路開通式で演説するカンボジアのフン・セン首相=プノンペン郊外(共同)

 【プノンペン共同】カンボジアのフン・セン首相(70)は3日、38年以上務めてきた首相の座を長男フン・マネット氏(45)に譲ることを決めたのは、自分が死んだ際に混乱を回避し円滑に権力を移行するためだと説明した。7月末に既に辞任意向と世襲を表明しており「首相として最後の演説だ」と述べた。首都プノンペン郊外で開かれた環状道路開通式に出席した。

 7月23日の下院選で自ら率いる与党カンボジア人民党が圧勝、フン・マネット氏も初当選を確実にし、世襲の条件を整えていた。ただ有力野党を排除し選挙の公正さに疑問が出ており、政権の私物化に国内でも批判が上がっている。

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