世界的指揮者・⼩澤征爾のスカラ座での映像が登場 「ふたりのマエストロ」本編映像

2023年8月18日より劇場公開される、最悪の間違いによって互いの心と向き合うことになった父と息子の物語を描いた「ふたりのマエストロ」から、主人公のドニが、レジェンド指揮者・小澤征爾がスカラ座で指揮を振る映像を、思い悩んだ夜に視聴するシーンの、本編映像が公開された。

父親に届いたスカラ座の音楽監督就任の依頼が、本当は父親ではなく自分への依頼だったと知ったドニ。全指揮者の憧れでもあるポジションに喜びを感じながらも、一方で父親にはオファーが間違いであった事実を伝えなければならない過酷な現実に直面していた。父親が長年夢見た希望を砕いてしまうもどかしさ、自分が果たして依頼を受ける器なのかという思いなど、さまざまな考えが頭をめぐり眠れない夜を過ごすなか、ふと若かりし小澤征爾がスカラ座でアヴェ・マリアを振る映像を流すドニ。伸びやかで豊かな調べが部屋中に響くなか、ドニは父・フランソワに対して手紙を書き始める。

本作は、イスラエルの監督・脚本家ヨセフ・シダーの映画「フットノート」を原作に、とある手違いから子が親を超えるというテーマを生かしつつ、ブリュノ・シッシュ監督が自由な脚色を施した。監督が多くの着想を得たのは、指揮者・小澤征爾と作家・村上春樹の対談集「小澤征爾さんと、音楽について話をする」だったことを明かしている。監督は、「この本から映画で語られるスカラ座のブーイングについての逸話を見つけた」と語り、今回公開されたシーンについて「イヴァンが観ている⼩澤の映像で流れる崇⾼な曲は、ジュリオ・カッチーニの「アヴェ・マリア」だ。リレーのように、ドニと日本の巨匠が切り替わるモンタージュにしたおかげで魅力的な場面に仕上がったよ」と、撮影を振り返っている。

「ふたりのマエストロ」は、最悪の間違いによって互いの心と向き合うことになった父と息子の物語を描いた作品。父も息子も、パリの華やかなクラシック界で活躍する指揮者の親子。父のフランソワは輝かしいキャリアを誇る大ベテランで、息子のドニも指揮者として才能を発揮し、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだった。ある日、父へ一本の電話が。それは夢にまで見た世界最高峰「ミラノ・スカラ座」の音楽監督就任の依頼だった。しかし、ドニは父の偉業を素直に喜ぶことができないでいた。翌日、ドニはスカラ座の総裁から呼び出される。なんと父への依頼は、息子への依頼の誤りだった。ドニは父に真実を伝えなければいけない苦渋の選択を迫られる。

主人公を演じるのは、「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」で実生活でも夫婦であるシャルロットと共演・監督を果たしたイヴァン・アタル。ピエール・アルディティやミュウ=ミュウなどフランスを代表する俳優たちが家族の葛藤を描き出す。監督は俳優としても活躍するブリュノ・シッシュ。プロデューサーとして、アカデミー賞作品賞受賞「コーダ あいのうた」のフィリップ・ルスレらが参加している。

【作品情報】
ふたりのマエストロ
2023年8月18日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、 Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋 ほか全国順次公開
配給:ギャガ
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