予算11兆円使わず、22年度 見積もり甘く、3年連続最大

財務省

 政府が予算に計上したものの、使わなかった「不用額」は2022年度が11兆3084億円となり、3年連続で過去最大を更新した。21年度から79.4%増えた。国会審議を経ずに内閣の裁量で使い道を決められる予備費を11兆7600億円用意したが、3分の1強の4兆1527億円を使い残したことが、不用額が膨らむ要因となった。

 予備費はコロナ禍や物価高、ウクライナ危機に備える狙いだったが、見積もりが甘くなったようだ。予算の歳入の多くは借金である国債の発行に頼っているだけに、無駄のない予算が求められている。

 財務省によると、コロナ禍と物価高に備えた予備費は9兆8600億円のうち2兆7785億円を使わなかった。22年12月成立の第2次補正予算に計上したウクライナ危機対応の予備費は1兆円の全額が手付かずだった。通常の予備費は9千億円のうち3742億円が余った。

 財務省の担当者は「必要な政策が資金不足で行えない事態にならないように予算を組んでいる」と釈明する。

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