愛知県産のクラフトビールが9月にできあがる予定です。
原料として使われるのは愛知県豊田市の稲武地区で育てたホップ。
いったい、どんな味に仕上がるんでしょうか。
ここは、名古屋市中村区にあるビアホール「ワイマーケット ブルーイング キッチン」。
人気があるのは店で醸造した「できたてのクラフトビール」です。
(お客さん)
「飲みやすくて、おいしいです」
「おいしいよ」
(ワイマーケット 金丸亮さん)
「個性的なビールが多いので、一杯一杯同じビールがない。そこが一つの魅力」
小規模な醸造所で作られるクラフトビール。
原材料や発酵方法の違いで味わいも様々。
それが多くのファンを楽しませています。
そんなクラフトビールの生産に欠かせないのが、香りや苦みを付けるホップ。
国内で生産されるビールのほとんどは、海外から輸入したものを使っているのですが…
(ワイマーケット 山本康弘代表取締役)
「主原料の1つが地元のものが使えるといいなって。愛知でホップを作れたらいいなっていう思い」
去年、わずか1週間で売り切れたクラフトビール。
「稲武フレッシュホップ ファームハウスエール」。
原料のホップは愛知県豊田市の稲武地区で育てました。
そして、ことしも…。
畑では愛知県産にこだわったクラフトビールの醸造所「ワイマーケット」が、2021年からホップの自社栽培に取り組んでいます。
ワイマーケットによれば東海3県では、それまでホップは栽培されておらず、まさに手探りの挑戦。
地域振興を目指す農事組合法人にも協力を求めました。
(農事組合法人 大野瀬 温(ぬくもり) 大山泰介さん)
「草との戦いというか。ホップだけを誘引させるのが一番大変な、重要な作業かな」
7月29日は待ち望んだホップの収穫。
去年に比べて畑の面積も増え収穫量も増えました。
花も大きく立派に育っています。
刈り取ったホップは専用の選別機にかけて、つるの部分と花に分けられます。
クラフトビールに使うのはホップの花の部分。
この日は約60キロを収穫できました。
その日のうちに名古屋市西区の醸造所に運んで仕込みの開始です。
細かく砕いたホップの花を、沸騰させた麦汁(ばくじゅう)の中に入れ、ビール独特の苦みや香りを生み出します。
タンクで貯蔵し熟成。完成は9月上旬頃です!
(ワイマーケット 山本康代表取締役)
「かなり去年、おととしのものよりも、ホップそのものの香りも高いので、ふんわりホップが香る、ちょっと上品な味わいのビールになるかな」
毎年、味が違うのも醍醐味。稲武のホップを使った愛知産のクラフトビール。ことしは、去年の倍以上、7000リットルを生産する予定です。