毎日続く “体温超え” の危険な暑さ 昭和の夏とは何が違う? イマドキの「猛烈な暑さ」を検証

毎日、暑くてイヤになってきます。広島県内では3日も、35℃以上の猛暑日を観測しました。この今どきの猛烈な暑さは、昔と比べてどう違うのでしょうか。

2023年夏、毎日のように伝えられる「猛烈な暑さ」に関するニュース…。広島県内でも7月後半から厳しい暑さが続いています。府中市では連日、「体温超え」の猛烈な暑さに…。先月28日は、観測史上最高となる、38.7℃を観測しました。

広島市の大動脈・国道2号の西広島バイパスでは、連日の猛暑による影響か、複数の場所で路面のアスファルトが盛り上がる事態に…。一時、交通規制が行われました。

RCCウェザーセンター 末川徹 気象予報士:
「広島市中区の東千田公園です。強い日射しの影響で地表面の温度は50℃に迫っています。下からのはね返りも非常に厳しいものになっています。夏休みですが、遊んでいる子どもたちの様子はありません」

35℃以上の猛暑日となった2日です。公園からは、子どもたちの歓声は消えて静まりかえっていました。

中学生(野球チームに所属):
「正直、めんどくさい練習、こんな暑い中。たいぎそうに練習している」

令和を生きる若い世代にとって「真夏の暑さは避けるもの」という意識は高いようです。

小学生:
「暑くて、汗が出るくらい、へとへと」

高校生たち:
「家族が庭で作業していたら、(炎天下で)立てなくなってしまった。熱中症はつきもの。OS-1(イオン飲料)を常備して」

一方で、昭和の時代に若いころを過ごした世代からはこんな声も聞かれました。

男性(70代):
「(今は)暑ければいつでも逃げられるが、昔はなかった。基礎体力が違うのでは。我慢・がんばる・根性などの世界ではない」

女性(70代):
「身体の鍛え方が違う。軟弱だもん、今の子は…。家でゲームする。昔は外に出て遊んだ」

ただ、気象予報士の 乙藤亮平 さんは、今の時代の暑さは、昭和の時代と「暑さの質が明らかに違う」と指摘します。

昭和の夏とイマドキの夏 猛暑日の日数を比較すると…

RCCウェザーセンター 乙藤亮平 気象予報士:
「たとえば広島市中区で35℃以上の猛暑日が年間にどれくらいあったのかをみると1970年代・80年代はほとんど観測されることはありませんでした。一方で、90年代に入ると一気に多くなりました。2010年代では、年間に平均して10日以上観測されるようになっています。観測場所の変更や昔と比べて観測時間の間隔が細かくなったことで、昔よりも最高気温はやや高めに出やすい面はありますが、それを差し引いても昭和の時代の夏より明らかに暑くなっているといえると思います」

真夏の避暑地のイメージがある広島県北部・庄原市高野では、この夏、史上初めて35℃以上の猛暑日を観測しました。

広島県内どこでも、これまでに経験したことがないような「危険な暑さ」に見舞われる可能性があります。令和の時代の正しい知識をもって、暑さに備えることが必要といえそうです。

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