この猛暑で、広島の県北では「水」を心配する声も聞かれます。安芸太田町にある「棚田の里」を訪ねてみました。
宮本学知 記者
「安芸太田町の龍頭峡です。清流に涼を求めて、犬も水辺で遊んでいました」
犬を散歩させる人
「暑いからどこも連れていけない。ここは渓谷みたいになっているから直射日光があたらないから、人間も涼しいし、犬は遊び放題ですからウキウキしています」
エクラちゃんもご機嫌の様子でした。
「日本の棚田百選」に選ばれている「井仁の棚田」です。イネが穂をつけ始め、風に吹かれながら厳しい暑さに耐えていました。
美しい田園風景が広がっていますが、連日の猛暑の影響も出始めているようです。
農家 河野司 さん
「ここの棚田の水は4キロ先から水路で引いているが、大雨で水路が壊れて十分な水がきていない。天気が続いているので、これから一番水が必要な時期。全部に行き渡ればいいけどね。それが心配」
ことしは、梅雨の大雨で水路が土砂に流されてしまいました。水路が壊れた場所に案内してもらいました。
農家 河野司 さん
「9メートルぐらいの長さの水路が落ちてしまった」
地元の自治会が応急処置としてパイプを設置しましたが、十分な量の水は確保できていません。さらに、十分な雨も降っていないことから、源泉の水量も減っているといいます。
農家 河野司 さん
「このまま天気は続いてほしいが、ずっと続くと水が少なくなって、 (パイプで)引っ張っている水の量がわずかなので、天気になってほしいし、そうすると水はかれるし。どうしたらええか…。悩みですね、一番困っています」
安芸太田町によりますと、壊れた水路の修理は来年の春ごろになる予定だということです。ただ、その前に「水不足」の懸念が解消されることも、棚田にとっては必要なようです。