神戸空港~有馬温泉、もっと便利に クレカタッチでポートライナーや神戸電鉄が乗車可能に

六甲ケーブルなどで導入予定の簡易型タッチ端末(三井住友カード提供)

 神戸市と三井住友カード(東京)は3日、市内の五つの交通事業者がクレジットカードのタッチ決済で乗降できるサービスを2024年春に始める、と発表した。神戸空港と三宮や有馬温泉を結ぶポートライナー、バス、ケーブルカーなどで、インバウンド(訪日客)の利便性を高める。

 三井住友の「ステラ・トランジット」という仕組みを使う。クレジットカードや、デビットカード、スマートフォンで利用できる。同じ地域で複数の交通機関が同時にサービスを始めるのは全国で初めてという。

 ポートライナーの全12駅や神戸電鉄の谷上、有馬口、有馬温泉駅のほか、六甲ケーブル、六甲有馬ロープウエー、まやビューラインの各駅に専用端末を設置。六甲山を走る六甲山上バスや灘区内の坂バスなど3路線の15台にも取り付ける。5社合計の投資額は1億3千万円で、半額を市が本年度に設けた補助金で賄う。

 神戸市内の観光用バス路線「シティーループ」「ポートループ」は22年10月に同サービスを開始。市営地下鉄全線でも24年春に導入する。来年5月の「世界パラ陸上競技選手権大会」や万博、30年前後の神戸空港国際化で訪日客の増加が見込まれるため利便性を高める。乗り放題などの企画乗車券の導入も可能だ。

 市の担当者は「市バスや六甲ライナーなどへの拡大は今後の検討課題」とした。25年の大阪・関西万博までには、関西、神戸両空港を結ぶ高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」も対応する。(高見雄樹)

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