コロナ感染者数を独自に推定 大学研究チームがWEB公開をスタート 次の流行のピークは「8月中旬ぐらい」

新型コロナウイルスの「位置付け」が5類に移行して約3か月。

いまや感染者数を把握するのは困難な中、都道府県別感染者数の「推定値」のWEB公開を名古屋市立大学のチームがスタートさせました。

(名古屋市内で街頭インタビュー)
「(Q:コロナの感染対策は以前と比べて?)前と同じ。マスクをして、消毒液があったら、ちゃんと(消毒)している。(Q:5類に移行しても変わらず?)変わりません」
「あんまり気にしないようになりました。手洗いなどはしっかりしている」
「(Q:感染者の実数が出ていないと感染拡大の実感がない?)数を出してほしい、本当は」

ことし5月に新型コロナウイルスの分類が「5類」に引き下げられて約3か月。

現在は感染者数の集計が指定医療機関による「定点把握」となり、以前のように感染者数を把握するのは困難です。

そこで、名古屋市立大学データサイエンス学部の間辺利江准教授を訪ねました。

(名古屋市立大学 間辺利江准教授)
「今までと同じような(感染者数の)情報が出ていれば、それを元に、今はこうしようとか、フレキシブルな対応が自分で考えてできるんじゃないか」

間辺准教授らの研究グループは8月1日から新たな情報を公開。

厚生労働省が週に一度公開する、都道府県別の定点医療機関からの新規感染者数の情報を利用し、これまで蓄積してきたデータなどを組み合わせる独自の方法で、都道府県別の感染者数を推定します。

また、どこで感染拡大しているのか地図で表示し、ウェブサイト上で公開することに。

厚生労働省によりますと、7月17日から23日の1週間では、定点医療機関1つあたりの感染者は13.91人でした。

この情報などを元に間辺准教授のチームが推定する感染者数は全国で45万145人です。

都道府県別の情報をまとめた一覧表では、前の週と比べてどこも感染者が増えていることがわかります。

(名古屋市立大学 間辺利江准教授)
「(Q:夏休みに入って少しずつ感染者が増えてきた。いつ頃がピーク?)8月の中旬ぐらいだと思う。ほとんどの(夏の時期の)流行波が8月中旬ぐらいに流行のピークが来ている。これに従って流行のピークが来るのではないかと予想している」

公開している推定値は、実際の感染者数を表すものではありませんが、5月8日以前の実数などと比較して検証したところ、推定値と実数にほとんど誤差はないということです。

(名古屋市立大学 間辺利江准教授)
「(Q:このシステムをどのように役立ててほしい?)これを見て行動を考えてもらえるのでは。『コロナは関係ない』と言っても、医療機関もひっ迫している所もあるので、そういった部分を回避していきたい」

間辺准教授らの研究グループは、感染リスクを回避する行動に役立ててもらうため、今後も厚生労働省の週1回の定点報告を受けて情報更新していく方針です。

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