環境団体が英首相私邸の屋根登る 北海の石油ガス開発に反対訴え

 【ロンドン共同】北海での石油や天然ガス開発を推進する英政府に抗議するため、環境保護団体グリーンピースの活動家らが3日、英中部ノースヨークシャーにあるスナク首相の私邸の屋根に登り、黒い布で建物を覆った。スナク氏は休暇中で不在だったという。英メディアが報じた。

 英政府は先月末、北海での石油と天然ガス開発に関する数百件の許可を事業者に与え、エネルギー自給体制を強化する方針を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を教訓にエネルギー自給率を高め、雇用維持にもつなげる狙いとしている。

 3日朝から首相私邸前に集まった活動家らは「北海採掘が深刻な結果をもたらす」と訴え、「石油の利益か、私たちの未来か?」と書かれた横断幕を掲げるなどした。抗議後、迷惑行為の疑いで5人が警察に拘束された。

 与党保守党のカーンズ下院外交委員長は「政治家に厳しい監視の目が向けられるのは当たり前だが、自宅襲撃はあってはならない」と批判した。

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