地方自治体の地方創生に入る機会の門は狭い

全国には1800ほどの地方自治体があります。皆さんは、千を超える地方自治体が国全体の戦略を元にしながら観光戦略を練ったり、取り組みを進めているイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実際は、半分以上の自治体が観光課等の担当部署を持たなかったり、ましては、観光協会などの観光に取り組む組織すら設置していないのが現状です。

日本には、そのような地方自治体が思ったよりも多くあるのです。

まず必要なのは、総合的な知見のアドバイスや戦略

私にはそのような自治体からの相談や依頼も多くあり、「地方創生や地域づくりに取り掛かりたいのだが、まずは何から手をつけて何をすればいいのかわからない」という自治体が、コロナ禍の制限緩和から激増してます。

地方交付税を賄う収入として、ふるさと納税や観光客の誘致などの稼ぐ力にて担うことは理解できても、一体どこの誰に相談をすればいいのか分からないのです。部分的にこうすれば良いと言う事業者や、コンサルティングは多くあります。しかし、実務的で実践的なこととは、ほど遠い机上のアドバイスがほとんどであり、地方の自治体になればなるほど、総合的な知見のアドバイスや戦略が必要となります。

今埋もれている地域にこそ、観光の魅力的な素材があふれる

観光庁などが公示する観光案件も多くあり、内容も年々実務的に的を得てきているような気がします。しかし、実際は郡部の地方自治体については、戦略やマーケットについての知識はほとんどなく、書類の書き方すらままならないのが実情です。これは、申し込みを躊躇する原因となっています。また、採択されてもプレイヤーがいない、もしくは観光への成果や反映はなく、採択された意味が薄くなっているのが現実です。また、そのような地方にこそ、観光の魅力的な素材が埋もれているのです。

私の地域が正にそうだと気が付いた人は、まず相談なり行動を起こしてください。その一歩が、持続可能な地域づくりや観光の実現につながります。

寄稿者 小高直弘(こだか・なおひろ)㈱KDKソリューション代表取締役社長 / 名鉄観光サービス㈱特別顧問 等

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