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オープンから15年を迎えた富山市東福沢(大山)のアートスペース「VEGA(ヴェガ)」が、今春から週末限定でカフェを営業している。自然豊かな地域を守ってきた住民に感謝し、もてなしたいとの思いからで、併せてアート作品の展示も始めた。代表の貫場幸英さん(60)は「地域の人たちのおかげでここまでやってこられた。アートの力で元気を届けたい」と話している。
VEGAは2008年5月にオープン。貫場さんが祖父の建てた納屋を木造建築の良さを生かしながら改装し、アート作品を展示する空間にした。暮らしの中で芸術に親しむ同市大山地域のイベント「リビング・アート・イン・トヤマ」の拠点にもなっている。
東福沢は雄大な自然に囲まれ、その風景に魅せられた著名なアーティストは多いという。貫場さんは自然に恵まれた環境で、アーティストの作品を展示するなど活動を続けてきた。
15年を迎え、この場所を守り続けてきた住民に恩返しをしたいと、家にこもりがちな高齢者らのためにカフェを始めることにした。
週末限定の営業で、貫場さんの妻、美紀さん(61)が切り盛りする。自家製のパンやおにぎりなどを提供し、要望があれば直接家にも届ける。高齢の住民らが毎週楽しみにしているといい、美紀さんは「皆さんの笑い声を聞いて逆に元気をもらっている。やってよかった」と笑顔を見せる。
お客に楽しんでもらおうと、貫場さんが手がけたアート作品を展示した。床に張った水に空や庭の風景を映し出す「SUIBAN」や、空間に降り注ぐ光が神秘的な「ヒカリのキャンバス」などを鑑賞できる。
貫場さんは住民に感謝し「アートの力で地域の人たちに元気を届け、笑顔になってもらいたい。同時に若いアーティストにとって道しるべのような場所になれたらいい」と語った。
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