糖尿病に関する知識深めて「負の烙印」なくそう 専門医が数多くの誤解指摘

糖尿病にまつわる誤解や偏見をなくす大切さを訴える馬場医長(京都府南丹市八木町・京都中部総合医療センター)

 京都府南丹市八木町の京都中部総合医療センターは、糖尿病に関する知識を深める教室を再開した。再開後の初回となる教室では、専門医が、糖尿病にまつわる「不摂生な人が患う」といった数多くの誤解を指摘。患者が不当な扱いを受けるスティグマ(負の烙印(らくいん))をなくすのが大切と訴えた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、ここ3年は休止していた。

 患者ら約20人が参加した7月の教室では、内分泌・糖尿病・代謝内科の馬場遼医長が、2000年に世界で1億5千万人だった患者は、19年は4億6千万人で、30年には5億8千万人になるとの予測を紹介した。

 著名政治家がかつて「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている」と述べた問題に触れ、「食べ過ぎ、不摂生という誤ったイメージが根付くのは良くない」と指摘。実際には日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌能力が低く、軽度の肥満でも発症しやすい側面があるとされ、偏見や差別は、患者の自尊感情の低下や治療を受ける機会の喪失などにつながると指摘。「レッテル貼りやスティグマはやめないといけない」と語った。

 西川悠管理栄養士は、食事のバランスや腹8分目の大切さを説き、「食事をしてからスーパーに行く方が、不要な食べ物を買わない」と助言した。

 今後の教室では、薬に関する話や外食時の注意点などを伝える。次回は9月19日。原則通院している人が対象で、予約と240円が必要。問い合わせは同センター0771(42)2510。

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