池松壮亮が半年間の猛練習で習得 「ゴッドファーザー」の調べが響く 「白鍵と黒鍵の間に」予告

2023年10月6日より劇場公開される、池松壮亮が2人のピアニストを演じ、初のピアニスト役に挑む映画「白鍵と黒鍵の間に」から、予告編映像が公開された。

予告編映像は、半年間の猛練習を経て習得した池松壮亮本人による、“あの曲”こと「ゴッドファーザー愛のテーマ」の演奏シーンから始まる。この曲を銀座で演奏できるのはただ一人。界隈を牛耳るヤクザの会長である熊野(松尾貴史)のお気に入りで、銀座を代表する高級クラブ「スロウリー」と「リージェント」を掛け持ちする敏腕ピアニストの「南」(池松壮亮)だけだった。熊野会長にしかリクエストできない“あの曲”として、一帯のクラブやキャバレーなどでは“あの曲”だけは弾いてはならないという暗黙の掟が守られていた。しかしある夜、銀座の夜の世界に足を踏み入れたばかりの若きピアニストの「博」(池松壮亮)がその掟を破ってしまう。

「ゴッドファーザー、弾いちゃった? リクエストしていいのは一人だけなんだ。銀座で一番エラーイ人」「その指、ぜーんぶ切り落とされちゃうよ?」と銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木(高橋和也)や、先輩ピアニストの千香子(仲里依紗)らに脅される博。博に“あの曲”を弾かせたのは、刑務所から出所してきたばかりの謎の男“あいつ”(森田剛)だった。一方、南は千香子に「俺さ、ボストンに行くんだ。ここでピアノを弾くのは今夜が最後だ」と打ち明けるが、千香子は「今夜の問題をどうするかだ」と今夜の不吉な予感を匂わせる。“あの曲”が演奏されたことで、クセ者たちが銀座に集い、狂騒の“一夜”が幕を開けることが描き出された映像となっている。

「白鍵と黒鍵の間に」の舞台は、昭和末期の夜の街・銀座。夢を追う男と夢を諦めた男、音楽好きのヤクザの親分と出所したばかりのチンピラ、アメリカ人の歌姫やベテランのバンドマスターらが入り乱れ、現実と幻想の間を駆け抜ける狂騒の一夜が描かれる。南は才能にあふれているが、夜の世界のしがらみに囚われて夢を見失ってしまったピアニスト。博は希望に満ち、ジャズマンになりたいという夢に向かって邁進(まいしん)する若きロマンチスト。時にすれ違い、時にシンクロするカードの裏表のような関係の2人の主人公を池松壮亮が演じる。

原作は、ジャズミュージシャンでエッセイストとしても才能を発揮する南博の「白鍵と黒鍵の間に-ジャズピアニスト・エレジー銀座編-」。ピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた3年間の青春の日々をつづった回想録を、共同脚本を手がけた冨永昌敬監督と高橋知由が一夜の物語へと大胆にアレンジした。南博がモデルの主人公を「南」と「博」という2人の人物に分けて描く。

【作品情報】
白鍵と黒鍵の間に
2023年10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開
配給:東京テアトル
©2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

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