水府提灯に筆入れ 茨城・水戸、祭りやお盆控え 4年ぶり需要増

お盆や祭り用の提灯に筆を入れる蔭山興一さん=水戸市本町

各地で開かれる夏祭りや入盆を前に、「水府提灯(ちょうちん)」の製作が急ピッチで進んでいる。

水府提灯は、江戸時代に水戸藩の殖産興業で生まれた。「一本がけ」と呼ばれる枠組みで作られ、頑丈さが特長とされる。

江戸後期に創業し225年の歴史がある老舗「蔭山利兵衛商店」(茨城県水戸市本町3丁目)の工房では3日、同店社長で職人歴約45年の蔭山興一さん(64)が、真剣な表情で、凹凸のある表面に巧みに筆を走らせ、文字や家紋を書き込んでいた。

蔭山さんは、「新型コロナの規制緩和で、4年ぶりに提灯の需要が増えた。伝統のある水府提灯を伝えていきたい」と笑顔を見せた。

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