政府、保険の「資格確認書」有効期限5年に延長へ マイナ保険証めぐり

 政府は、現行の健康保険証を廃止しマイナンバーカードと一体化させる、いわゆる「マイナ保険証」に移行する方針を巡り、マイナ保険証の未取得者に発行する「資格確認書」の運用を見直す方針を固めた。4日夕方に岸田首相が記者会見で発表する。

「資格確認書」を申請なしで交付、上限5年

 政府は、マイナンバーカードに関する複数の情報紐付けミスなどの問題や、マイナ保険証自体の読み込みトラブルなどによる国民の不安感払拭に向け、来年秋までとした事実上の強制的な移行方針を転換する。複数の政府関係者が明らかにした。

 具体的には、マイナンバーカード未取得の国民が紙の保険証廃止に伴って保険診療を受けられなくなることがないよう、暫定的措置として医療保険組合に加入していることを証明する「資格確認書」の有効期限を「上限1年」から「5年以内」に延長する。

 また、現在は「資格確認書」の発行を申請した人だけに発行する方針だがこれも変更し、マイナ保険証を保有していないすべての人に対し、申請なしで送付する。期限については発行者となる組合などが、上限5年の範囲内で任意に設定できる。

 なお本日行われる予定の会見では、現行の保険証の廃止時期の延長には言及しない予定。政府関係者によると、現在行っている「総点検」の結果を踏まえて改めて検討するという。延長には関連法案の改正が必要で野党の批判が避けられないことから、さらなる政権支持率の低下や衆議院の解散総選挙への戦略に悪影響を及ぼしかねないとの判断があるとみられる。

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