日大山形、4強超えめざす 6日開幕・全国高校野球、組み合わせ決まる

 第105回全国高校野球選手権大会(6日開幕)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市内で開かれ、本県代表の日大山形は大会第3日の8日に、第3試合の1回戦でおかやま山陽(岡山)と対戦することが決まった。日大山形は2年ぶり19度目、おかやま山陽は6年ぶり2度目の出場となる。

 昨夏に東北勢として春夏通じて初めて甲子園大会を制覇した仙台育英(宮城)は第1日第3試合の1回戦で浦和学院(埼玉)とぶつかる。2019年大会優勝の履正社(大阪)は第2日第2試合の1回戦で鳥取商と当たる。開幕試合は土浦日大(茨城)―上田西(長野)に決まった。開会式の選手宣誓も抽選を行い、高知中央の西岡悠真主将が務めることになった。

 台風6号による航空便欠航の影響を受けた沖縄尚学は、10~12日実施予定の第5~第7日に限定して最初にくじを引き、第6日第1試合の2回戦でいなべ総合学園(三重)と顔を合わせることになった。

粘り強い守備持ち味・日大山形  日大山形は攻守に安定した戦いぶりで山形大会の全5試合を勝ち抜いた。エース菅井颯を中心とした粘り強い守備と打線の勝負強さを持ち味に、甲子園の県勢最高成績の4強超えを目指す。

 左脚を高々と振り上げる独特のフォームの菅井は山形大会で全試合に登板。33回を投げて防御率2.45と安定感がある。最速147キロの直球が武器だが、力で押すだけでなく状況に応じた投球で要所を締める落ち着いたマウンドさばきも光る。ともに右腕で直球に力がある佐藤大清と制球力のある本田聖、左腕の佐藤巧望も控える。

 チーム打率は3割2分2厘。決勝での逆転劇など、好機に畳みかける勝負強さがある。6番鈴木一槙は打率5割超と当たっており、けがから復帰した3番大高海斗が5打点、対応力の高い4番遠藤海星が6打点と、勝負どころでの中軸の集中力がさえる。

 準々決勝に4失策を喫したが、ほかは無失策で切り抜けた。遊撃手浅野隼人や中堅手清野隆之輔らセンターラインが安定している。落ち着いてアウトを重ねる堅実なプレーで流れを引き寄せており、甲子園でも粘り強い守備からリズムをつくりたい。

層の厚い投手陣が軸・おかやま山陽  おかやま山陽は勝負強く競り合いをものにして岡山大会を勝ち上がった。昨夏の覇者創志学園や今春の県大会を制した岡山学芸館のライバル校が相次いで涙をのむ中、昨秋の県王者は層の厚い投手陣を軸に、守りからリズムをつくり、6年ぶり2度目の甲子園切符をつかみ取った。

 投手陣はいずれも最速140キロ超の井川駿、西野彰人、三浦尊神、三宅一誠の右腕4人がマウンドに立ち、全5試合で防御率は1.67。継投が基本で、実績のある井川と西野の3年生の安定感に加え、三浦と三宅の2年生の成長が接戦をくぐり抜ける原動力となった。強肩捕手の土井研照を軸にしたセンターラインも強固で、守備の安定感が増した。

 打線は岡山大会で爆発力こそ欠いたものの、チーム打率は3割4分。本塁打ゼロと長打力で劣る分、各打者のつなぐ意識は高い。中でも1番田内真翔は打率5割超と当たっており、リードオフマンの出塁が勝負の鍵を握りそう。不振だった3番渡辺颯人が決勝で勝負を決める一打を放つなど、調子は上向きだ。犠打14と手堅さも光る。

 

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