サッカー男子 国見がPK戦で惜敗 北海道インターハイ

【サッカー男子準決勝、桐光学園―国見】後半16分、国見のFW中山が懸命にボールを収める=旭川市、花咲スポーツ公園陸上競技場

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第13日は3日、各地で9競技が行われ、長崎県勢はサッカー男子の国見が準決勝で桐光学園(神奈川)に0-0からのPK戦4-5で敗れたが、優勝した04年中国インターハイ以来、19年ぶりにメダルを獲得した。
 陸上勢は男子八種競技の田邉瑛信(長崎北)が5544点で3位入賞。女子やり投げの勝見風李(対馬)も決勝で47メートル57を記録して4位と健闘した。カヌー勢もスプリント500メートルで男子カナディアンフォアの西陵、女子カヤックフォアの長崎西が決勝に進んだ。
 バレーボール女子の純心女は決勝トーナメント2回戦で下北沢成徳(東京)に0-2で敗れた。
 第14日は4日、各地で11競技を実施する。

◎今大会 無失点で銅メダル

 2試合連続のPK戦。止めればサドンデス突入という緊迫の場面で、国見のGK松本は完璧に読み切り、右に飛んだ。だが、両手ではじいたボールは無情にもゴールの中へ。この瞬間、快進撃を続けた国見の夏に終止符が打たれた。
 サッカー男子準決勝。強力な両ウイングを擁する桐光学園(神奈川)にも、国見は最後まで得点を許さなかった。これまで同様に自陣で耐える時間が続き、与えたCKは12本。最後の局面で体を張り、振り切られても守護神が再三の好セーブで救った。
 守っただけではない。立ち上がりにFW坂東匡が流血退場となるアクシデントに見舞われながらも、前半ロスタイムに攻撃陣が連動し、MF出田が滑り込みながらシュートを打った場面は決定機だった。試合終了間際には途中出場の1年生MF原田が豪快にダイビングヘッド。少ない好機で相手ゴールを脅かした。
 決して高くはなかった前評判を次々に覆した戦いは見事だった。「選手たちが出場権をつかんでくれた時から、ファイナル進出を狙っていた」という木藤監督。帰りのフェリー切符は決勝翌日の便を予約していたほどで、覚悟を決めて堅守を構築した。「高校生は勝つことで成長する部分がたくさんある」。その言葉通りに今大会はサブメンバーたちもピッチで躍動した。
 本気で決勝を目指したからこその3位入賞だ。FW中山は「負けないサッカーはできた。あとは勝ちきるところ」と既に先を見据える。高校サッカーの集大成は冬。銅に輝くメダルは“本番”で頂点に立つための貴重な財産となる。

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