猛暑、作物に影響じわり 県、生産者に対応呼びかけ

暑さが続き、影響が懸念されるモモや水稲など農作物の生産現場=鶴岡市西荒屋

 連日の猛暑で、農作物への影響が懸念されている。野菜や果樹の一部では生育の遅れや着色不良が確認されており、水稲はこのまま暑さが続けば、実が割れる「胴割れ粒」が発生しかねない。危機感を強める県は3日、山形市内で緊急の対策会議を開き、農作物も「災害級の暑さ」から守るよう生産者団体に呼びかけた。

 県によると、最上地域のニラやアスパラガスは猛暑による高温と乾燥で、生育や収穫量の停滞、葉の変色などが確認されている。モモやリンゴは、暑さや少雨で土壌中の水分が不足すると果実が十分に肥大しない恐れがある。

 「雨が少なく、昨年より全体的に小ぶりだ。ただ日差しが強く実の着色は3、4日例年より早く、柔らかくならないうちに収穫している」と鶴岡市内で10品種約60本のモモを育てる同市西荒屋の沢川宏一さん(76)。「雨続きよりは良いが、1週間に1回程度は雨が降ってほしい」と話した。

 コメは出穂から10~20日間に高温が続くと、胴割れ粒や実が白く濁る「白未熟粒」の発生が懸念される。出穂期は今月上旬で、厳しい暑さになると品質の低下が危惧される。山形市内でコメや花きを生産する逸見孝志さん(47)は「今はまだ大丈夫だが、そろそろ暑さは勘弁してほしい」。水田に水を張ると稲を暑さから守れるが、なるべく気温が低い時間帯に水を入れ替えるなど工夫が必要だ。近年は天候の変化が予測しづらく「猛暑の反動で、秋に長雨にならないといいが…」と語った。

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